政府、外国人向け宿泊の利便性向上への取り組み発表
(中国)
北京発
2024年08月06日
中国の商務部など7部門は7月25日、「ハイレベルの対外開放を推進するための外国人向け宿泊の利便性向上へ向けた取り組みに関する通知」を発表した(文書は7月1日付)。この通知は外国人向け宿泊の利便性を向上させることを目的としている(注)。主な内容は次のとおり。
- コンプライアンス順守に基づく経営
- 接客能力の向上
- 業界の自律性強化
- インターネット上のプラットフォーム機能の活用
- 宿泊登記の最適化
- サービスプロセスの円滑化
- 支払いの利便性向上
- 友好的な雰囲気の醸成
1.では、地方の関連部門やインターネット上のプラットフォーマーは宿泊業運営者に対し、外国人の宿泊取り扱いを制限してはならないとした。また、インターネット上のプラットフォーマーや宿泊業運営者は外国人宿泊者を受け入れないという情報を対外的に公表してはならないとした。
2.では、条件を満たす宿泊業運営者に対し、サービスレベル向上のため、外国語対応可能なフロント受付員の配置、または人工知能(AI)翻訳ツールの活用など、施設・設備のアップグレードを推奨するとした。
4.では、インターネットプラットフォーマーに対し、外国語版アプリケーションを改善し、製品やサービスのダウンロード、ユーザー登録、予約など全てのプロセスで顧客体験を最適化させるよう導くとした。
このほか、宿泊業運営者に対する外国人の宿泊登記手続きの簡素化や、条件を満たす空港や駅での中国語、英語、その他主要言語による案内表示などを含めた外国人向けコミュニケーション手段の整備、国外で発行された金融機関クレジットカードの受け入れ態勢整備による支払いの利便性向上などを推進するとした。
7月25日の中国中央電視台(CCTV)では、「次のステップでは、外国人により利便性の高い宿泊環境を提供し、ハイレベルな開放と質の高い発展を推進するため、商務部は関係部門と共同で地方を指導し、外国人向け宿泊の利便性向上に関する取り組みを着実に実行し徹底する」と解説した。
なお、在中国日系企業などで構成する中国日本商会が7月10日に発表した「中国経済と日本企業2024年白書」では、「外国人旅行者への簡便なサービスインフラの改善とさらなる整備」「観光施設、公共機関における多言語案内の整備と提供」などを求めている。
(注)関連して、国務院弁公庁は3月19日、「ハイレベルの対外開放の着実な推進と外資の誘致・利用の促進に関する行動計画(国弁発[2024]9号)」(2024年3月29日記事参照)を発表している。
(蔣春霞)
(中国)
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