ベトナム農業農村開発省が日本でカンファレンス開催、農業分野の貿易投資拡大へ
(ベトナム、日本)
調査部アジア大洋州課
2024年08月23日
ベトナム農業農村開発省は8月20日、東京都内で「日本・ベトナム農業における貿易・投資政策対話」をテーマにカンファレンスを開催した。両国の企業関係者を中心に、100人近くが参加した。農業分野での貿易投資や規制の状況について、同省や後援機関(注)などが説明の後、ベトナム側が企業からの意見や質問に応じた。その中で、同省のチャン・タイン・ナム副大臣は両国間での生果実輸入解禁に向けた交渉の進捗を明らかにした。
カンファレンスの冒頭あいさつで、ファム・クアン・ヒエウ駐日ベトナム大使は、農業分野での2国間の協力および発展の余地は大きく、包括的に支援していきたい、と話した。日本の農林水産省の国枝玄国際地域課長は、農林水産物の日本からベトナムへの輸出支援や農業技術協力に向けた取り組みを進めていくとした。
農業農村開発省のブー・クオン国際協力・コミュニケーション課長は、2024年1~6月のベトナムから日本への農林水産品輸出額は、木材(7億9,680万ドル)、水産物(7億416万ドル)、コーヒー(2億3,884万ドル)の順に多いと説明。農業分野での日本からベトナムへの投資は累計45件(2億4,590万ドル)で、事業内容は養殖、水産、食品加工の順に多く、省・市別では南部ラムドン省への投資が7件で最多だと話した。
駐日ベトナム大使館のタ・ドゥック・ミン商務参事官は、日本市場でのベトナム農林水産品の可能性を説明し、ベトナムのコメが日本の学校給食に採用された事例などを紹介した。また、ベトナム人が多く在住していることを受け、日本国内でベトナム料理の人気が高まっていると述べた。
そのほか、ベトナム植物防疫局の担当者が、農林水産品をベトナムに輸入する際の規制や手続きを説明した。
ベトナム産ポメロと日本産ブドウ、2024年内の輸入解禁を目指す
カンファレンスの最後に登壇したナム副大臣は、ベトナム産ポメロの日本への輸入解禁、シャインマスカットを含む日本産ブドウのベトナムへの輸入解禁を実現できるよう、両国政府間で協議を進めていると明らかにした。現在は植物検疫の技術的な部分の交渉段階にあり、2024年内の輸入解禁を目指しているという。また、今後はベトナム産パッションフルーツと日本産モモを対象に、それぞれ輸入解禁すべく、交渉を進める考えを示した。
(注)駐日ベトナム大使館、日本アセアンセンター、ジェトロが後援。
(庄浩充)
(ベトナム、日本)
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