上海市で「Bilibili World 2024」が開催、25万人が来場

(中国)

上海発

2024年08月09日

中国の上海市で7月12~14日、中国の人気動画サイト「bilibili(ビリビリ)」の大規模オフラインイベントである「Bilibili World外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、BW)が開催された。今回の開催結果について、主催者であるBilibili.Inc高級総監の談振宇氏らに聞いた(取材日:2024年7月19日)。

今回のBWでは、上海国家会展中心のうち17万平方メートルのスペースに700超の企業が出展した。また、800組超のbilibili動画UP主(bilibili動画投稿者)や450人のクリエーターが参加し、生配信は1,000万超の「いいね」を集めた。3日間の来場者数は25万人で、2023年開催の21万人を上回った。来場者の内訳は、男女比は58対42でおおむね半数、中国本土からの来場が全体の88%を占め、香港・台湾・海外は12%だった。また、中国本土のうち、上海市・江蘇省・浙江省・安徽省からが49%だった。年齢層別にみると、18~28歳が62.6%と最も多く、17歳以下が17%を占めた(14歳以下は入場不可)。チケット購入時にコスプレで来場すると登録した人が20%を占めたが、実際には、入場後にコスプレする人も多かった。

コンテンツ愛好家のために、「UP主空間(UP主のスペース)」「遇見動漫(アニメに出会う)」「一起卓游(一緒にボードゲーム)」「虚偽楽園(バーチャル楽園)」「恋恋心声(恋の声)」「游戯世界(ゲームワールド)」「痛無止境(無限の痛み)」などの9つのテーマエリアを設けた。テーマエリアごとに舞台などを設け、テーマに沿ったイベントを開催した。

海外からの出展者は毎年増えている。日本ブランドでは、ソニー、バンダイナムコ、KADOKAWA、セガ、アニメイト、アニプレックスなど約50ブランドが出展した。中国コンテンツも、独立系ゲームや女性向け声優などの分野で人気IP(知的財産・コンテンツ)があり、bilibiliの自社作品では日本のテレビでも上映された「時光代理人」が多くのファンを集めている。

BWと同時開催のBILIBILI MACRO LINK(同社主催のACGコンサート)も同じ会場で、7月13~14日の2夜連続で開催した。総来場者は1万4,000人で、こちらも2023年開催の1万人を上回った。参加チケットは30秒で完売となった。

BWは2017年に初めて開催し、2024年で7回目となる(2022年は新型コロナ禍の影響で開催中止)。2019年は上海市、広州市、成都市で開催し、2020年には上海市、広州市で開催した。それ以外の年は上海市だけでの開催だったが、上海市以外での開催も再検討していく。

また、談氏らは「bilibili(ビリビリ)」についても紹介した。同サイトのデイリー・アクティブユーザー数(DAU)は1億200万で、35歳以下のマンスリー・アクティブ・ユーザー比率が86%、コアユーザーは「Z世代」(1990~2009年の間に生まれた人を指す、Bilibili.Inc資料提供)だ。ユーザーは1日平均105分利用し、正式会員の12カ月目の定着率は80%だという。「弾幕」というチャット機能が、没入感型のエンターテインメント体験を提供している。多様なプロダクトと提携し、ビデオ、ライブ配信のほか、ゲーム、広告、Eコマース、Eスポーツ、漫画、イベントなどのサービスを提供している。

Bilibili.Incは、中国国内最大の二次元愛好者コミュニティーで、最も多く日本アニメを輸入する会社の1つだ。同社は日本映画「君たちはどう生きるか」の中国でのプロモーションを担ったが、今後も日本アニメとの提携を続けていくとした。

写真 BW会場内ステージ(Bilibili.Inc提供)

BW会場内ステージ(Bilibili.Inc提供)

写真 会場運営を行うBilibili社員(ジェトロ撮影)

会場運営を行うBilibili社員(ジェトロ撮影)

(高村大輔)

(中国)

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