タイ財務省、「イグナイト・ファイナンス」構想を発表、金融ハブ目指す
(タイ)
バンコク発
2024年08月01日
タイ財務省は7月19日、タイを8つの産業(金融、観光、ウェルネス・医療サービス、農業・食品、航空、物流、フューチャー・モビリティー、デジタル経済)のグローバルハブに変革することを目指すビジョン「イグナイト・タイランド」の一環として、「イグナイト・ファイナンス」構想を発表した。
同構想は、3つの柱を通じてタイが金融ハブへと変革することを目指している。金融ハブの重点分野は銀行、証券、デリバティブ、デジタル資産、保険の5分野。3つの柱は次のとおり。
- 将来を見据えた制度設計:政府は規制の枠組みを合理化し、金融分野で事業を展開する企業に対して、関連機関とシームレスに連携できる体制を確保する。
- 次世代インセンティブ:外国からの金融機関やサービスプロバイダーの誘致を促進するために、外国人による企業設立・事業運営、就労ビザ・労働許可書の取得にかかる制度の改善、他国と比較しても競争力のある税制やインセンティブプログラムを提供する。
- エコシステムの強化:金融ビジネスを支えるエコシステムとして、金融活動の基盤となる最先端で透明性の高い法的枠組みを整備する。また、企業を支援し、従業員の生活の質を高めるための近代的な金融インフラを整備する。
また、タイ財務省は同構想の下、中央銀行と協力して、事業者に対してバーチャルバンク(注)のライセンスを発行し、国家信用保証機関(NaCGA)を設立し、中小企業や個人の資本へのアクセスを増やすことを目指す。
(注)バーチャルバンクとは、実店舗を持たずにインターネットで金融サービスを提供するインターネット専業銀行のこと。
(ピンラウィー・シリサップ、藤田豊)
(タイ)
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