トヨタ、北京の燃料電池研究開発・生産拠点が正式稼働
(中国)
北京発
2024年08月30日
トヨタ自動車は8月21日、中国の北京経済技術開発区に設けた燃料電池の新たな研究開発・生産拠点が正式に稼働したと発表した。
同拠点の敷地面積は約11万3,000平方メートルで、2022年10月に着工し、生産工場やテスト作業場、実験棟、研究開発棟、水素供給ステーションなど7つの建物が含まれる。後述する聯合燃料電池系統研発(北京、FCRD)が燃料電池システムの研究開発を、華豊燃料電池(FCTS)が燃料電池システム・スタック(注)の生産・販売を担う。第1期プロジェクトの初年の生産台数は最大1万台を予定しており、第2期は2026年に着工する見通し。
トヨタ自動車は2019年4月から中国の商用車メーカー向けに燃料電池ユニットの供給を始めている。2020年6月には中国の燃料電池システムの研究開発・生産を手がける北京億華通科技、大手自動車メーカーの第一汽車、東風汽車、広州汽車、北京汽車と合弁会社のFCRDを設立し、商用車用の燃料電池システムの開発に取り組むと発表した。また、2021年3月には北京億華通科技と折半出資で燃料電池システムの生産会社FCTSの設立に関する契約を締結している。
FCRDとFCTSの連携のもと、北京経済技術開発区の既存拠点で生産された商用車向け燃料電池システムの「TL Power100」と「TL Power80」の2つの製品は既に中国で販売されている。いずれも高出力密度と3万時間以上に及ぶ超長期耐久性能を実現している。
トヨタ自動車は今回の稼働により、トヨタの中国市場向け燃料電池システムの研究開発から生産、販売、サービスに至る全工程のシステム構築が実現するとした上で、今後とも中国のユーザーに高品質で耐久性の高い燃料電池製品を提供し、中国の水素エネルギー技術革新と産業発展の促進に貢献していくとした。
(注)最小の発電単位の「セル」を複数枚積み重ねたもの。
(張敏)
(中国)
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