米エネルギー省、再生可能エネルギー利用拡大へ4,100万ドルの技術開発プロジェクト発表

(米国)

ニューヨーク発

2024年08月06日

米国エネルギー省(DOE)は7月31日、再生可能エネルギーを利用した効率的な液体燃料生成手法(再生可能エネルギーから液体へ:RtL)の確立に向け、14のプロジェクトに4,100万ドルの予算を割り当てると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(添付資料表参照)。

この取り組みは、風力や太陽光などの再生可能エネルギーから得られた電気、二酸化炭素(CO2)、水を利用し、ガソリンや石油のように輸送・貯蔵が容易な液体燃料や化学物質を効率的に生産することを狙いとしている。バイデン政権はインフレ削減法(IRA)などの財政支援も活用しながら、再生可能エネルギーの普及を進めているが、送電網の整備の遅れがボトルネックの1つとなっているとされる(2024年7月25日記事参照)。この技術を活用することで、送電網に頼ることなく、特に脱炭素化が難しい産業部門や航空機をはじめとする輸送部門などでの炭素排出量の削減につなげていきたい考えだ。

今回採択したプロジェクトに関しては、DOEでムーンショット型の研究開発を担うエネルギー先端研究計画局(ARPA-E)が「経済的な液体と長期貯蔵への新しい方法を可能にするグリッドフリー再生可能エネルギープログラム・グリーンウェルズ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を通じて管理する予定だ。風力や太陽光などで生成された電気エネルギーの少なくとも50%を液体燃料として貯蔵できるシステムを開発することを目標として掲げる。

主なプロジェクトは、ヒートパス・ソリューションズの再生エネルギーを利用したメタノール合成、ジョージア工科大学の再生可能エネルギーを利用する電気化学リアクター開発などだ。

(藤田ゆり)

(米国)

ビジネス短信 96a1608b43f8ba93