中銀、政策金利を6会合連続で4.35%に据え置き
(オーストラリア)
シドニー発
2024年08月29日
オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は8月6日、政策金利を4.35%に据え置くと発表した。2023年12月以降、6会合連続の据え置きとなった。同国の政策金利は2012年以来の最高水準が続いている。
RBAのミシェル・ブロック総裁は据え置き決定の背景について、消費者物価指数(CPI)の前年同期比上昇率が依然としてRBAの目標圏内(2~3%)の中央値を上回っており、インフレが今後も継続するとみられることを指摘した。足元では、CPI上昇率が前年同期比3.8%となり、1年半ぶりに上昇に転じている(2024年8月15日記事参照)。
ブロック総裁は今後の見通しについて、「不確実性が依然として高く、最新のデータから判断すると、CPIを目標圏内(2~3%)に戻すまでにさらに時間を要する」と指摘した。RBAが発表した8月の金融政策ステートメントでは、CPI上昇率が目標圏内の中間値に戻るのは2026年後半と予想された。5月のステートメントでの予想(2025年後半)から1年後ろ倒しとなった。GDP成長率の鈍化(2024年6月24日記事参照)や失業率の上昇で、多くの企業が苦境に立たされているとの報告もあり、経済活動のモメンタムは弱いとした。家計消費の回復が今後、予想よりも鈍くなり、生産の伸び悩みが続き、労働市場が顕著に悪化するリスクもあるとブロック総裁は述べた。
今後の政策金利について、RBAは、インフレの上振れリスクにも引き続き警戒する必要性が強まっているとし、CPI上昇率が持続的に目標圏内に戻ると理事会が確信するまでは、金融緩和は慎重に考える必要があるとした。
(青島春枝)
(オーストラリア)
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