米エネルギー産業の2023年雇用者数増加はクリーンエネルギーが牽引
(米国)
ニューヨーク発
2024年08月30日
米国エネルギー省(DOE)は8月28日、エネルギー産業雇用報告書で2023年のエネルギー産業の雇用者数が前年比3%増の835万人超に達したと明らかにした。特にクリーンエネルギーが産業横断的に牽引力となっており、同技術関連の新規雇用は14万2,000人増とエネルギー産業の新規雇用の56%を占め、他のエネルギー分野や米国全体(2.0%)の2倍以上の成長率(4.2%)を示している(注1)。
具体的には自動車関連、中でもクリーンビークル(注2)関連の雇用が急増し、前年比11.4%増の2万4,826人の増加となった。そのほか、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー、送電・配電・貯蔵などの分野でも著しい成長を遂げている。
また、エネルギー産業の中で最も雇用が増加した分野としては、公益事業が約3万人増(前年比5.0%増)、建設が約9万人増(同4.5%増)だった。
エネルギー産業従事者のうち、労働組合などに加入する労働者の割合(11%)は、民間部門平均(7%)の1.5倍超となっている。同報告書によると、労働組合のある雇用主は、組合のない雇用主よりも労働者の採用が容易だったとしている。
エネルギー産業は労働者の平均年齢が若く、女性の比率が増えているのも特徴だ。同産業従事者のうち30歳未満が全体の28%を占める。女性の比率は26%と、全産業平均(47%)との比較では依然として低いが、前年比で2ポイント増加している。
DOEのジェニファー・グランホルム長官は、「われわれの政策は効果を上げている。今後さらに多くの工場が建設されるにつれて、何十万もの新しい雇用が創出される見込みだ」と述べている。
(注1)クリーンエネルギー関連の雇用は全州で増加しているが、特にアイダホ州、テキサス州、ニューメキシコ州での増加が著しい。
(注2)バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)の総称。
(藤田ゆり)
(米国)
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