バイデン米政権、建築物のエネルギー効率向上に2億4,000万ドル以上拠出
(米国)
ニューヨーク発
2024年08月28日
米国エネルギー省(DOE)は8月27日、国内の19の州と地方自治体に対し、エネルギー効率に優れた最新の建築基準を導入・実施するために、2億4,000万ドル以上の助成金を提供すると発表した。
同助成金は、インフレ削減法(IRA)に基づいて拠出し、DOEの州・地域エネルギー・プログラム局を通じて管理する。最新の建築エネルギー効率基準(注)に基づいて建てられた住宅は、15年前に建てられた住宅と比べて、エネルギー効率が約40%向上するとされている。DOEは最新基準の導入により、住民や商業ビル経営者の光熱費が節約され、電力網(グリッド)の耐性が高まると期待している。
バイデン政権は、気候変動対策やクリーンエネルギー分野の連邦政府投資の利益全体の少なくとも40%を恵まれない地域にもたらすことを目指す「ジャスティス40イニシアチブ」を推進している。DOEは、今回の助成金が同イニシアチブにも寄与するとしている。
助成金を提供するプロジェクトの主な事例は次のとおり。
- オハイオ州:シンシナティ市がクリーブランド市、コロンバス市、デイトン市と協力し、高性能建築ハブ(建築物の所有者に対し、建物性能基準の目標に適合するために必要な支援、教育、訓練とともに、融資やインセンティブを提供する「ワンストップショップ」)を設立。
- ペンシルベニア州:フィラデルフィア市が大規模建築物からの排出削減を最大化するための建築性能基準を策定。
- コロラド州:州の建物性能基準を満たすための資源が不足している建物(URBs)に対して技術的支援やリソースを提供。
- ニューヨーク市:恵まれないコミュニティーを中心に市内全域の集合住宅に対して、州の建物性能基準を満たすための支援を強化し、市の監視・支援・執行能力を強化。
このプロジェクトは、IRAに基づく競争的資金プログラムの第1ラウンドとなる。第2ラウンドの申請は9月13日に締め切る。詳細はクリーンエネルギー・インフラ資金提供に関するDOEサイト(DE-RD2-0003056)から確認できる。
(注)国際コード評議会、または米国暖房冷凍空調学会が公表している住居・非住居用建築物の新築・増改築時のモデルエネルギー基準。
(藤田ゆり)
(米国)
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