沖縄をアジアのスタートアップハブに、「コザロックス2024」開催

(沖縄)

沖縄発

2024年07月17日

沖縄市のスタートアップ支援施設「コザスタートアップ商店街外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を中心としたKOZAROCKS実行委員会は7月6日、「コザロックス 2024」(注)を沖縄市コザ地区で開催した。第4回の開催となる今回のテーマは「万国津梁(ばんこくしんりょう」~アジアと日本の架け橋としての沖縄~」で、アジアのスタートアップハブを目指す沖縄のポテンシャルに焦点を当てたプログラムが展開された。当日は県外やアジア各国・地域からの参加者も含め900人以上が来場し、沖縄発スタートアップへの関心の高さがうかがえた。

イベントの冒頭には、豊里健一郎実行委員長が「アジアに一番近い日本である沖縄は、アジアと日本をつなぐ架け橋となれる。海外スタートアップにとっては日本市場へのソフトランディングの場所として、日本のスタートアップにとってはアジア市場への足掛かりとして、沖縄が果たせる役割は大きい」と強調した。

また、同氏は沖縄のスタートアップエコシステムについて、県内スタートアップの資金調達額は拡大傾向にあると述べた一方、県外の他地域と比べ創業・シード期のスタートアップの割合が多く、プレシリーズAラウンド以降の資金調達機会が不足しているとの課題も示した。

ピッチイベントも併催、沖縄から世界へ

当日は、ピッチイベント「コザロックス・ピッチ・アワード」が併催され、台湾や香港からの出場者のほか、バイオやヘルスケア分野で沖縄科学技術大学院大学外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(OIST)発スタートアップのWatasumi外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも含めた計9社が参加した。最優秀賞であるコザロックス・アワードは台湾スタートアップで、がん患者の治療法選択、薬剤試験などに使われる技術を有するCancerFree外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが受賞した。

イベント後半には、沖縄県が県内スタートアップを県外、海外のスタートアップエコシステムと結びつける取り組みとして、「沖縄県認定パートナーベンチャーキャピタル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」について紹介。ジェトロからは、参加企業に向けGlobal Startup Acceleration Program(GSAP)J-StarXなどのサービスを説明し、海外展開への第一歩を後押しした。

写真 会場となったコザスタートアップ商店街(ジェトロ撮影)

会場となったコザスタートアップ商店街(ジェトロ撮影)

写真 メイン会場の様子(主催者提供)

メイン会場の様子(主催者提供)

写真 KOZAROCKS AWARDは台湾スタートアップのCancerFreeが受賞(主催者提供)

KOZAROCKS AWARDは台湾スタートアップのCancerFreeが受賞(主催者提供)

(注)コザロックスは、2022年7月にコザスタートアップ商店街のオープンとともにスタートした地域密着型の沖縄県内最大級のスタートアップカンファレンス。最新のテクノロジー、クリエーター、エンターテインメント、政治、経済、スタートアップ、スモールビジネスなどさまざまな分野で、トークセッションやスタートアップピッチ、交流パーティーが行われる。「コザロックス・ピッチ・アワード」の過去受賞企業の中には、超吸水性ポリマーで世界の水不足に挑むEF Polimer外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますや日本在住の外国人の自宅でホームステイができるサービス「まちなか留学」などのサービスを提供するHello World外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなど、沖縄を代表するスタートアップが多数ある。

(高濱凌)

(沖縄)

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