第2四半期の米GDP、前期比年率2.8%増と堅調に推移
(米国)
ニューヨーク発
2024年07月26日
米国商務省が7月25日に発表した2024年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率(速報値)は前期比年率2.8%だった(添付資料表、図参照)。市場予想(2.0%)を大きく上回り、アトランタ連銀が発表しているGDPNow
の予測(2.6%)とほぼ一致する結果となっている。インフレ率の低下に支えられて、消費が前期から回復(2024年7月1日記事参照)したほか、政策の後押しを受けた製造業関連や情報機器関連の投資が堅調に推移したことなどが要因。住宅投資など高金利の影響は一部に見られるものの、連邦準備制度理事会(FRB)が目指すソフトランディングに近い姿となっている。
需要項目別に見ると、内需では、個人消費支出(PCE)が前期比年率2.3%増、寄与度1.6ポイントと、前期(1.5%増、1.0ポイント)から改善し、最大の押し上げ項目となった。2023年後半ほどの強さはないものの、個人消費はなお強さを保ち続けている。内訳では、財消費(2.5%増、0.6ポイント)がプラスに転じたほか、サービス消費(2.2%増、1.0ポイント)はプラス成長を保った。財消費では、レクリエーショングッズ(4.8%増、個人消費内寄与度0.2ポイント)、自動車・同部品(4.8%増、0.2ポイント)、サービスでは、ヘルスケア(4.0%増、0.7ポイント)、レクリエーションサービス(4.1%増、0.2ポイント)などが主な押し上げ要因となっている。また、5月に行われたセールの補充分や夏の商戦に向けた積み増しなどを背景として、在庫投資は0.8ポイントのプラス寄与となっている。
設備投資は前期比年率5.2%増、寄与度0.7ポイントと前期に続き堅調だった。構築物は、前期と同様に製造業(17.1%増)とそれ以外で明暗が分かれ、全体では3.3%減だった。機器は、情報関連機器が前期に引き続いて高い伸び(10.2%増)を示したほか、輸送機器(49.8%増)も伸び、全体では11.6%増だった。知的財産はソフトウエア投資(6.6%増)などにより、全体では4.5%増だった。
住宅投資は、戸建て・集合住宅ともに低調で、前期比年率1.4%減となった。高金利などに伴う需要の押し下げが建設事業者の心理に影響を及ぼしているもようだ(2024年6月6日記事、2024年7月4日記事参照)。
外需では、輸出が前期比年率2.0%増、輸入は6.9%増と、ともにプラスとなった。輸入のマイナス寄与が輸出のプラス寄与を上回った結果、純輸出の寄与度は0.7ポイントのマイナスだった。輸入の内訳では、財が7.7%増(輸入内寄与度6.4ポイント)、サービスが3.6%増(0.6ポイント)と、財の寄与度が大きく、前期と同様に資本財(自動車を除く、4.3ポイント)が輸入の伸びの大半を占めた。中でもコンピュータ関連の輸入が大きく寄与しており、設備投資での機器の伸びと整合的な結果となっている。
(加藤翔一)
(米国)
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