交通運輸部、中国の世界海運輸送量シェアが30%突破と発表
(中国)
広州発
2024年07月16日
中国交通運輸部主催の「2024年海のシルクロード港湾国際協力フォーラム」が6月27日に浙江省寧波市で開催され、その中で「中国港湾運営分析報告(2024年)」が発表された。同報告は交通運輸部傘下の規画研究院が同部の委託を受けて取りまとめたもの。同研究院は、港湾の稼働状況は国家がマクロ経済政策の実施やモニタリング、意思決定をするためのバロメーターとして重要な参考になるとしており、報告を中国政府各部門などへ提供することで、「交通強国」の建設に貢献するとしている。
同報告によると、2023年の世界の海上輸送量は前年比3.0ポイント増の約123億7,000万トンとなった。中国は前年比2.2ポイント増で、世界全体の30.1%を占めた。そのほかの報告のポイントは次のとおり。
2023年、中国の港湾貨物取扱量は前年比6.6ポイント増の約131億7,000万トンだった。中国経済の持続的な回復が港湾貨物取扱量の伸びにつながった。長江デルタ地域が中国全体の港湾貨物取扱量の40%を占めて首位を保った。次いで山東省が3年連続で2位(中国全体の15%)となり、天津市と河北省(同14%)、珠江デルタ地域(同12%)が続いた。規画研究院は、増加要因は地域ごと異なるが、全体として安定的に成長していると評価した。
港湾別でみると、2023年に中国の23カ所の港湾で年間貨物取扱量が2億トンを超えた。23カ所の年間貨物取扱量の合計は108億トンとなり、中国全体の81.9%を占めた。そのうち浙江省の寧波舟山港は13億2,000万トンで、中国の港湾で初めて年間取扱量が10億トンを超えた。主要貨物別でみると、コンテナ、石炭、金属鉱石、鉱業や建築材料、石油・同関連製品が上位5位となり、総取扱量に占める比率は合計84%に上る。
規画研究院は、2024年の中国の港湾貨物取扱量の予測について、前年比3.0ポイント増の136億トンとなり、うち国際間のやり取りをする貿易貨物は3.2ポイント増の51億トンに達すると分析している。コンテナ取扱量は3億TEU(20フィート換算のコンテナ取り扱い個数)に達し、うち国際航路が1億5,400万TEUで、半分以上を国際航路が占めると予測している。
(高文寧)
(中国)
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