2023年の天然ガス生産量は世界で4兆2,829億立方メートル、OPEC加盟国合計はシェア15.7%
(中東、カタール、イラン、米国、ロシア、世界)
調査部中東アフリカ課
2024年07月08日
OPECは7月2日に年報「Annual Statistical Bulletin」を発表した。同報告によると、2023年の天然ガスの生産量は世界では4兆2,829億立方メートル、OPEC加盟国合計はシェア15.7%の6,708億立方メートルだった。
天然ガスの輸出量は、世界では前年より310億立方メートル減の1兆3,826億立方メートル、OPEC加盟国合計はシェア7.6%の1,050億立方メートルだった。国別の輸出量順位は次のとおり。
- 米国:2,155億立方メートル
- ロシア:1,757億立方メートル
- カタール:1,612億立方メートル
- ノルウェー:1,149億立方メートル
- オーストラリア:1,057億立方メートル
- カナダ:821億立方メートル
- アルジェリア:520億立方メートル
- トルクメニスタン:470億立方メートル
- マレーシア:384億立方メートル
- オランダ:382億立方メートル
- ベルギー:370億立方メートル
- ナイジェリア:297億立方メートル
需要は米国、ロシア、中国、イランの順
世界の天然ガス需要は、前年より480億立方メートル増の4兆1,004億立方メートルだった。国別の天然ガス需要順位は次のとおり。
- 米国:9,260億立方メートル
- ロシア:4,656億立方メートル
- 中国:3,885億立方メートル
- イラン:2,611億立方メートル
- カナダ:1,448億立方メートル
- サウジアラビア:1,235億立方メートル
- 日本:887億立方メートル
- メキシコ:846億立方メートル
- ドイツ:769億立方メートル
- アラブ首長国連邦(UAE):727億立方メートル
- インド:671億立方メートル
埋蔵量はロシア、イラン、カタールの順
世界の天然ガス確認埋蔵量は、2023年末時点での前年比0.3%増の約206兆立方メートルとなった。OPEC加盟国では、同0.2%増の75兆立方メートルとなった。
国別別の天然ガス確認埋蔵量順位は次のとおり。
- ロシア:44兆立方メートル
- イラン:34兆立方メートル
- カタール:24兆立方メートル
- 米国:17兆立方メートル
- トルクメニスタン:14兆立方メートル
また、天然ガス価格は、2022年にはウクライナ危機もあり、オランダTTF価格が年間平均で100万英熱量単位(MMBtu)当たり約37.09ドルと記録的な高水準だったが、2023年は12.87ドルと落ち着きを見せ、2021年の15.67ドルよりも低い水準だった(2024年6月21日記事参照)。
なお、2023年の世界の原油総生産量は、前年比で0.6%増の日量7,324万バレルとなり、2021年以来3年連続の増加、OPEC加盟国の原油生産量は、前年比3.5%減の日量2,680万バレル(世界シェア36.6%)だった(2024年7月8日記事参照)。
(井澤壌士)
(中東、カタール、イラン、米国、ロシア、世界)
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