在香港・マカオの非中国籍永住権保持者も回郷証を取得可能に
(香港、マカオ、中国)
香港発
2024年07月08日
中国の出入境管理局は7月1日、香港特別行政区とマカオ特別行政区の非中国籍永住権保持者に対して、香港・マカオ居住者の中国本土往来のための通行証(俗称:回郷証、注)を発行すると発表した。回郷証は7月10日から発行が開始される。申請に当たっての詳細は国家移民管理局のホームページ
で確認できる。
香港の非中国籍永住権保持者は、中国の出入境管理局が業務委託する香港中旅集団に、マカオの非中国籍永住権保持者は、同局が業務委託するマカオ中国旅行社に回郷証取得の申請を行う必要がある。
中国の出入境管理局の公告によると、回郷証の有効期限は5年間で、1回の滞在期間は90日以内。回郷証の有効期限内ならば、ビザなしで複数回の渡航が可能。また、投資や親族訪問、ビジネス、旅行、セミナー出席などを目的とした短期入境は可能だが、中国本土での就労、就学、取材活動はできない。
香港米国商工会議所(AmCham)は「香港と中国本土の境界を越えた人的つながりを強化する重要性を政府が認識したことをビジネス界は歓迎し、評価している」とコメントした。香港ドイツ商会など他の外国商工会議所も歓迎の意を示した(「サウスチャイナ・モーニングポスト」紙7月2日)。
ジェトロは在香港日本総領事館や香港日本人商工会議所と共同で、在香港日系企業などを対象にした「香港を取り巻くビジネス環境にかかるアンケート調査」を実施している。上記の結果を踏まえ、同3機関は香港政府機関に対し、香港から中国本土入境時のビザ取得の早急な緩和を求め、中国側に働きかけるよう要請などを行っていた。
(注)香港中旅集団傘下の香港中旅行證件服務と、マカオ中国旅行社のWEB申請受け付けページによると、香港で回郷証を取得できる者は、(1)香港生まれで中国籍を持つ香港永住権保持者、(2)香港での定住が許可され香港居住の資格を持つ中国本土居住者、(3)香港外で生まれ、香港永住権を持つ中国籍の居住者、(4)外国籍または無国籍の香港永住権保持者で、中国籍の取得または回復が認められた者となる。マカオでは、要件を香港からマカオに置き換えた左記(1)~(4)に加え、中国またはポルトガル出身のマカオ永住権保持者で、中国またはポルトガル国籍のいずれかを未選択の者が回郷証を取得できる。
(松浦広子)
(香港、マカオ、中国)
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