第2四半期のGDP成長率は前年同期比6.93%、製造業が牽引
(ベトナム)
ハノイ発
2024年07月10日
ベトナム統計総局は6月29日、2024年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率(推計値)を前年同期比6.93%と発表した。5.87%だった前四半期(1~3月)から伸び率が加速した(添付資料表参照)。
産業別の成長率では、農林水産業が3.34%、鉱工業・建設業が8.29%、サービス業が7.06%だった。
統計総局によると、GDPの11.3%を占める農林水産業は、暑さの影響で各種野菜・豆類などの作付面積が減少したが、コメの収穫や水産業の生産量は好調だった。
GDPの37.0%を占める鉱工業・建設業のうち、製造業の成長率は10.04%で、経済を牽引した。米国の調査会社S&Pグローバルによるベトナムの製造業購買担当者景気指数(PMI、注1)の2024年の数値は、3月を除いて、50を上回っており、6月は54.7まで上昇した。54を超えたのは2022年6月以来2年ぶりだ。貿易は2023年に14年ぶりの前年割れとなったが、1~6月の輸出額(統計総局の推計値)は前年同期比14.5%増の1,900億8,000万ドルと復調傾向にある。
GDPの43.3%を占めるサービス業は、運輸・倉庫やホテル・飲食などの成長率が11%超と好調だった。低迷していた不動産の成長率は2023年以降初めて3%を超え、回復の兆しが見える。
グエン・ティ・フオン統計総局長は「大きな変動がなければ、通年のGDP成長率目標6.0~6.5%は達成する可能性が高いが、6.5%以上の成長率となるには、国内のインフレや世界各地の紛争など多くの困難と課題がある」と述べた。
(注1)製造業の購買責任者を対象に、生産高や新規受注、在庫水準、雇用状況、価格などの状況を評価する指数。0から100の間で変動し、50を超えると「前月比で改善や増加」、50未満は「前月比で悪化や減少」を表す。
(注2)GDP構成比の残りの8.3%は補助金を除いた間接税。
(萩原遼太朗)
(ベトナム)
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