2024年第2回のASEAN高級経済実務者会合(SEOM)、バンコクで開催
(ASEAN、タイ、東ティモール、中国、日本、香港、カナダ)
バンコク発
2024年06月06日
タイ商務省貿易交渉局(DTN)は5月23日、バンコクで実施された2024年に2回目となるASEAN高級経済実務者会合(SEOM)の結果概要を公表した。今回のSEOMでは、ASEANの対話パートナーの中国、カナダ、香港、日本の4カ国・地域との間で自由貿易協定(FTA)や経済協力枠組みについて協議した。
ASEAN中国FTAのアップグレード交渉(ACFTA 3.0)については、協定文全体の34%が妥結したことを確認した(注)。具体的には、経済・技術協力章や中小企業章に関する内容は合意に至った。今後、さらなる関税の自由化などの残りの分野についても、交渉妥結を急ぐことで合意した。
ASEANカナダFTAに関しては、5月22日から24日にかけて第8回交渉を実施した。ASEAN香港FTAでは、第1改正議定書について、早期に民間企業が利用できるように、ASEAN各国での施行に向けて国内手続きを加速する。日本との会合では、デジタル貿易での協力計画と自動車産業の高度化に向けたマスタープランの策定作業を急ぐことで合意した。
また、現在ASEANのオブザーバー国の東ティモールの正式加盟に向けた準備状況について報告が行われた。ASEANの主要な経済協定であるASEAN物品貿易協定(ATIGA)、ASEANサービス貿易協定(ATISA)、ASEAN包括的投資協定(ACIA)などに同国が参加していく上での交渉ガイドラインを策定した。東ティモールの経済力向上に関する報告書については、6月に開催されるASEAN共同体を構成する3つの共同体(ASEAN経済共同体、ASEAN政治・安全保障共同体、ASEAN社会文化共同体)の高級実務者会合に提出される予定だ。
(注)DTNは5月3日、ACFTAアップグレード交渉について、協定文の50%が妥結したと発表していたが(2024年5月17日記事参照)、ジェトロが6月4日に確認したところ、前回の発表は「交渉全体がおおむね50%まで進捗した」との意味合いでだったとの回答があった。
(北見創、シリンポーン・パックピンペット)
(ASEAN、タイ、東ティモール、中国、日本、香港、カナダ)
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