インド中銀、8会合連続で政策金利を6.50%に据え置き

(インド)

ムンバイ発

2024年06月11日

インド準備銀行(RBI、中央銀行)は6月7日、金融政策決定会合(MPC)を開催し、政策金利(レポレート)を6.50%に据え置くことを委員6人中シャクティカンタ・ダス総裁を含む4人の多数決で決定した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。4委員は、今後も経済成長を支えつつインフレが目標値(4%±2%)に収まることを確実にするため、引き続き金融緩和の縮小に注力するスタンスを示した。一方、残る2委員は金融引き締めから中立へとスタンスを変更し、政策金利の0.25ポイント引き下げを提言した。政策金利は2022年度(2022年4月~2023年3月)に6会合連続で引き上げられた後、2023年度は6回連続の据え置き、2024年度も2会合連続の据え置きとなった(添付資料図参照)。

インド統計・計画実施省(MOSPI)によると、過去6カ月の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)は、2023年12月の5.69%をピークとして徐々に低下しており、直近では2024年3月に4.85%、4月に4.83%と、いずれも目標値の範囲内に収まっている。4月の内訳をみると、野菜や豆類、穀物、香辛料など食品のCPIが依然として高水準な一方、液化石油ガス(LPG)価格の引き下げなどから燃料価格は低下した。RBIは2024年度(2024年4月~2025年3月)のインフレ率を4.5%と予測している。モンスーン(雨期)が平年並みならば、2024年内の食品インフレ圧力は軟化すると見込まれる一方で、天候不順や原油価格、金融市場の変動により、インフレ率が上昇する可能性もあると指摘した。

今後の国内経済について、RBIは、国内活動の指標が堅調さを示しており、2024年度の実質GDP成長率は前年度比7.2%となると予測した。平年以上の降雨が予想されるモンスーンが農業や農村部の需要に好影響を与えることに加え、製造業とサービス業の成長に持続的な勢いがあることから、個人消費の回復を促すと見込んだ。また、企業や銀行のバランスシートが健全なことや、政府の活発なインフラ投資、楽観的な企業マインドなどにより、投資活動も順調に続く可能性が高いと予想した。

(丸山春花)

(インド)

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