チリがRCEP加入申請、中南米諸国で初

(チリ、日本、中国、韓国、ASEAN、オーストラリア、ニュージーランド)

調査部米州課

2024年06月25日

インドネシアを訪問していたチリのクラウディア・サンウエサ国際経済関係次官官房(SUBREI)は6月14日、サトビンダー・シンASEAN事務局次長と会談し、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定へのチリ加入を正式に申請する書簡を提出した。中南米諸国で初めての加入申請となる。チリはRCEP署名国の多くの国と既に2国間協定を締結済みだが、フィリピン、ラオス、カンボジア、ミャンマーとはまだない。RCEP加入により東南アジア諸国との経済関係強化を図る。

サンウエサ氏は「RCEP加入により、チリの輸出事業者に新たな機会の扉を開くことができる。チリは戦略的な優先事項の中で、アジアとの近接化と関係深化を特に重視しており、RCEP加入はその目的のための重要な一歩となるだろう」と述べた。

グローバル・トレード・アトラスの統計によると、チリとRCEP署名国との2023年の貿易額は、チリからの輸出が521億8,900万ドル、チリの輸入が241億9,500万ドルだった。RCEP署名国にはチリの最大の貿易相手国の中国が含まれていることから、チリ全体に占める構成比は輸出で53.6%、輸入で30.6%となっており、チリにとっても巨大な経済圏だ。なお、ASEAN加盟国のみとの貿易額も近年漸増しており、SUBREIによると、2018年から2023年にかけて年平均5.1%増加している。チリのRCEP加入が実現すれば、チリとアジア諸国のますますの緊密化が見込まれる。

(佐藤輝美)

(チリ、日本、中国、韓国、ASEAN、オーストラリア、ニュージーランド)

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