スリランカ、マレーシアとのFTA交渉開始を閣議決定

(スリランカ、マレーシア)

コロンボ発

2024年06月20日

スリランカ政府は6月12日、マレーシアとの2国間の自由貿易協定(FTA)交渉開始を閣議決定した。スリランカ政府は輸出志向型の外国直接投資誘致や、輸出先の多角化、同国の財やサービスの海外市場へのアクセス拡大を図るとした上で、ASEANや、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の主要国の1つマレーシアと経済統合を推進していくことが必要不可欠だとしている。

スリランカにとり、マレーシアとの貿易額は輸入で5番目、輸出では34番目となっている。2023年の実績では、マレーシアからの輸入額7億3,639万ドルに対し、輸出額5,834万ドルと、大幅な輸入超過となっている。マレーシアからの主な輸入品は石油や化学製品、ココナツ油など、マレーシアへの主な輸出品は穀物および関連製品、電気・電子製品や繊維製品などだ。

スリランカはこれまでにインド、パキスタン、シンガポール、タイとそれぞれ2国間FTAを締結した。インドとは2国間の経済・技術協力協定(Economic and Technology Cooperation Agreement、ETCA)について2018年10月から、中国とは2国間FTAについて2017年3月から交渉している。また、多国間FTAでは、2023年6月にRCEPへの加入を申請中だ。M.U.M.アリ・サブリー外相は、2024年末までにインド、インドネシア、マレーシア、ベトナム、中国とそれぞれFTAを締結するという目標を掲げている(2024年3月18日付地域・分析レポート参照)。

(大井裕貴)

(スリランカ、マレーシア)

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