ケニアの対アフリカ輸出額は21.6%増
(ケニア)
ナイロビ発
2024年06月19日
ケニア国家統計局(KNBS)は5月20日、「エコノミックサーベイ2024」を発表した。2023年のシリング建ての貿易額は、輸出額が前年比15.4%増の1兆79億1,900万シリング(約1兆2,095億円、1シリング=約1.2円)、輸入額が4.9%増の2兆6,119億7,700万シリングだった(添付資料表参照)。一方で、2023年を通してシリングは対ドルで大幅な下落傾向にあったため、ドル建てでは必ずしも輸出入はこれほど増加していない(2024年5月10日記事参照)。
ケニアのアフリカ諸国との貿易額は、輸出額が21.6%増の4,349億5,400万シリング、輸入額が1.3%増の2,770億4,500万シリングとなった。構成比ではアフリカ向けは、ケニアの世界全体への輸出総額の43.2%を占め、ケニアにとってアフリカ諸国は主要な市場である一方で、輸入総額では10.6%(アジアが42.9%)にとどまり、非対称的な貿易関係となった。シリングが対ドルレートと同様に、2023年を通して周辺国の通貨に対して下落を続けたこともこれを助長している。
ケニアは東アフリカ共同体(EAC)と東南部アフリカ市場共同体(COMESA)の2つの地域経済共同体に属するが、EACとの貿易はケニアの対アフリカ輸出総額の7割以上、輸入総額の3分の1を占める。特に、輸出入ともにウガンダ、タンザニアとの貿易額は大きい。EAC以外では、同じCOMESAに属するエジプトの存在感が輸出入ともに大きく、輸出ではエチオピア(同じくCOMESA)とソマリア(2023年12月にEAC加盟)、輸入では南アフリカ共和国の存在感が大きくなっている。2022年3月にEACに加盟したコンゴ民主共和国向けの輸出も前年比48.5%増を記録している。
KNBSによると、対アフリカ輸出増加に寄与したのは、セメント・クリンカーや潤滑油、鉄鋼製品で、タンザニア向けではせっけんと薬剤、南スーダン向けは加工食品、コンゴ民主共和国とソマリア向けはたばこだった。
(佐藤丈治)
(ケニア)
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