英国籍2人の非常任裁判官が終審法院を辞職
(香港)
香港発
2024年06月17日
香港特別行政区政府は6月6日、香港終審法院(最高裁判所に相当)の非常任裁判官を務めるローレンス・コリンズ氏とジョナサン・サンプション氏の英国籍2人がその職を辞任したことを明らかにした。
香港基本法に基づいて香港の最終審判権は終審法院に与えられており、終審法院は必要に応じて他のコモンロー法域から裁判官を招聘(しょうへい)することができる。1997年に終審法院が設立されて以来、域外出身の非常任裁判官は終審法院の業務で重要な役割を果たし、終審法院が審理した実質的な上訴のほとんどを担当してきた。
6月7日現在、終審法院には4人の現地非常任裁判官と8人の域外非常任裁判官が在籍している。8人の域外非常任裁判官のうち2人は2023年と2024年にそれぞれ任命されており、非常任裁判官として職務を引き続き遂行する。
現地新聞では「香港政府関係者が今回の非常任裁判官辞任を『不幸な出来事』と表現したほか、『外国籍の裁判官たちがこうした複雑な地政学的状況の中でいかに板挟みになっているかが分かるだろう』といった見解を示したことが報道された(「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」6月7日付記事)。
(松浦広子)
(香港)
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