アルゼンチン政府、関税率の引き下げで物価を抑制へ

アルゼンチン政府は5月6日、政令384/2024号を公布し、資本財を含む複数の品目の関税を引き下げた。政府は、関税引き下げの目的を、最終消費者が支払う価格を引き下げること、としている。また、貨物輸送や近距離および長距離の旅客輸送で使用されるトラック・バス用のタイヤの関税を引き下げることで、物価全体に波及する輸送費の抑制を図るとしている。

今回の改正ではまず、政令557/2023号により公示した「商品の名称および分類についての統一システムに関する国際条約（HS条約）」第7次改正に対応した、対外共通関税率表の修正を行った（付属書II）。

そして、共同市場審議会（CMC）決議11/2021号により、2028年12月31日を期限にメルコスール対外共通関税分類番号（NCM）8桁ベースで100品目まで設定が認められているメルコスール対外共通関税（AEC）の例外品目に15品目を追加すると同時に、15品目を除外した（付属書III）。同措置に伴い関税が引き下げられたのは、窒素肥料（NCM3102.10.10、3102.80.00）やプラスチック製品（NCM3901の一部）、ブダジエンゴム（NCM4002.20.99）などで、関税率は0～6％となっている。

さらに、CMC決議25/2015号により、加盟国が認められている資本財（BK）の例外品目リストも見直された。NCM8桁ベースでは業務用冷蔵庫（NCM 8418.50.90）、業務用洗濯機（NCM8450.20.90）の2品目が対象となり、関税率が35％から20％に引き下げられた（付属書IV）。

また、CMC決議39/2011号により、加盟国は、NCM8桁ベースで100品目を上限に、AECを上回る関税率を適用することができるが、今回の改正により10品目を追加し、17品目を除外した（付属書V）。対象品目から除外されることにより、例えば、バスまたは貨物自動車に使用するゴム製の空気タイヤ（NCM4011.20.90）は、関税率が35％から16％に下がる。

加えて、経済公共事業サービス省決議909/1994号により、輸入が禁止されているNCM84～90に該当する中古品について、NCM8桁ベースで9品目を対象に追加し、2品目を除外した（付属書VII）。

（西澤裕介）