ナイジェリア政府が米国にスタートアップハブの設置を発表

(ナイジェリア、米国)

ラゴス発

2024年05月22日

ナイジェリア連邦政府の通信・イノベーション・デジタル経済省は5月15日、米国・サンフランシスコに「ナイジェリア・スタートアップ・ハウス」の新設することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ナイジェリアと米国ベイエリアのエコシステム間の連携を深化させ、ナイジェリアのスタートアップの資金調達と人材交流の促進、同国への投資を後押ししたい考えだ。

本計画は、ボシュン・ティジャニ通信・イノベーション・デジタル経済相の進める「戦略的ブループリントPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」の一環だ(注)。同計画では、全ての人々が情報通信技術(ICT)へ平等にアクセスできるようにすることを目指し、人材育成とイノベーションの促進が主眼に置かれている。同計画には、2027年までにナイジェリア発のスタートアップにおける年間の資金調達総額を現在の約10億ドルから50億ドルに引き上げることを目指すなど、資金の呼び込みも盛り込まれている。

米国サンフランシスコはシリコンバレーに近く、多くのテクノロジー企業が同地にオフィスを構えており、「Yコンビネーター(Y Combinator)」や「アンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)」「グーグル・スタートアップ(Google for Startup)」などの世界的に著名なアクセラレーターやベンチャーキャピタルの拠点が集積している。「ナイジェリア・スタートアップ・ハウス」の設置により、これらの米国関係者と、ナイジェリアのスタートアップとの連携の強化を目指す。

なお、米国のカート・キャンベル国務副長官は、2024年4月29~30日にナイジェリアの首都アブジャで開催された米・ナイジェリア2国間委員会の中で、ナイジェリアのデジタル・トランフォーメーション(DX)の推進に向けたデジタル関連インフラや人的資本の促進を表明しており、2024年後半にラゴスで人工知能(AI)に関するフォーラムの実施などが盛り込まれた。米国政府は、2022年12月に「アフリカとのデジタル・トランフォーメーション(DTA)」イニシアチブを打ち出し、ナイジェリアを含むアフリカ全土のデジタル経済の成長を促進してきた。

(注)戦略的ブループリント:2023年から2027年までを対象にデジタル経済への移行を促進し、経済多角化と包括的な成長を推進するための国家戦略。人材育成や投資促進、知的財産保護政策の推進、通信インフラの強化、スタートアップ支援、アフリカ域内外の貿易額の増加などの目標を規定。

(柴田北斗)

(ナイジェリア、米国)

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