サウジアラビアで世界経済フォーラム特別会合を開催
(サウジアラビア、湾岸協力会議(GCC))
リヤド発
2024年05月10日
世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)は4月28~29日、「開発に向けたグローバルコラボレーション、成長、およびエネルギー」と題した特別会合をサウジアラビアの首都リヤドで開催した。政府や国際機関、企業、市民団体など各界のリーダーや専門家1,000人以上が90カ国から参加した。会合では「包摂的成長」「グローバルコラボレーション」「開発のためのエネルギー」の3つのテーマを軸に、約50のセッションが行われ、各分野での取り組みなどが発表された。
3つのテーマのうち、エネルギー分野のセッションでは、サウジアラビアのアブドゥルアジーズ・ビン・サルマン・エネルギー相が登壇し、公平なエネルギー転換のための解決策を模索する必要性について述べるとともに、今後のエネルギー需要を満たすための先進的なシステムを開発する重要性を強調した〔4月30日付サウジアラビア国営通信(SPA)〕。また、エネルギー転換により石油など化石燃料への需要が縮小し、再生可能エネルギー設備や電気自動車(EV)の製造に必要となるリチウムや銅などの鉱物の需要が拡大することに伴う地政学的、環境的、経済的影響が報告書
で指摘された。
ほかにも、人工知能(AI)と生産性に関するセッションでは、アブドラ・アル・スワハ情報通信技術相がAIの台頭に伴う機会とリスクについて講演した。また、「Education 4.0イニシアチブ」に関する新たな報告書が発表された。同報告書は、AIが教育システムにもたらす効果について探っているほか、教育分野でAIがどのように学生一人一人に合わせて学習コンテンツをパーソナライズするか、また、いかに教育に関する管理業務を合理化するかなどのケーススタディーを紹介している。
特別会合で発表された主な取り組みや報告は添付資料を参照。
(平田若菜)
(サウジアラビア、湾岸協力会議(GCC))
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