長江デルタ地域、大規模設備の更新と消費財の買い替え推進プランを発表

(中国)

上海発

2024年05月17日

中国国務院が3月13日に発表した「大規模設備の更新と消費財買い替え推進行動プランに関する通知」(国発[2024]7号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます2024年3月22日記事参照)を受けて、長江デルタ地域の各省・市政府は数値目標や方針などを打ち出した。具体的な数値目標や方針は次のとおり。

【浙江省】

浙江省政府は4月2日、同実施プランを発表した。2027年までに、工業、エネルギー、建築、交通、農業などの分野の設備投資規模を2023年比で30%以上増加させ、重点産業におけるエネルギー使用設備のエネルギー使用合理化を推進する。自動車の買い替え促進については、2027年までに、新エネルギー車(NEV)の年間販売台数を100万台にし、普及率を50%以上にするとした。

リサイクルについては、省内に再生可能資源の集中分別処理センターを300カ所、同資源回収場を1万5,000カ所建設し、中古車の取引量を160万台以上に増加させ、廃品回収車を65万台以上にするなど具体的な目標が打ち出された。そのほかにも、2027年までに、「3060ダブルカーボン」認証企業を200社以上育成するとしている。

【上海市】

上海市政府は4月23日、同実施プラン(2024-2027)を発表した。同プランでは2027年までに、工業、エネルギー、建築、交通などの10分野の設備更新と、自動車、家電、生活日用品などの消費材の買い替え促進について、全国に先駆けて実施するとしている。特に製造業のデジタル化、グリーン・低炭素化の推進のために新たな技術や設備の普及・応用、エネルギー・電力設備の更新などを目標とする。

自動車の買い替え促進については、上海市内の各区で中古車販売店の販路開拓を支援するために、中古車から新車への買い替え時に新たな補助金政策を実施するほか、自動車の回収・リサイクルの円滑化をサポートするとした。家電分野では、グリーン・スマート家電に新たな補助金政策を実施し、家電販売企業を支援する。また、メーカーやリサイクル業界が提携して、家電の買い換え促進のためのプラットフォームを立ち上げることを支援する。

【江蘇省】

江蘇省政府は5月6日、「大規模設備の更新と消費財買い替え推進行動プランに関する通知」(以下、実施プラン)を発表した。同プランでは、2027年までに工業、建築、交通、農業、科学・教育、文化・観光、医療、エネルギー環境などの分野の設備投資規模を2023年比で約30%増加させるとした。

自動車の買い替え促進については、2027年までに新車販売台数に占める新エネルギー車(NEV)の割合を50%とする目標を掲げたほか、都市部の充電施設の建設を強化する。

また、2027年までに資源リサイクル産業基地の設置および関連企業を育成し、資源循環を促進するため、再資源活用割合を向上させることを目指す。

(尹世花)

(中国)

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