イスタンブールで「日本・トルコ海外ビジネス連携ワークショップ」開催

(トルコ、日本)

イスタンブール発

2024年05月23日

トルコのイスタンブールで5月16日、日本貿易保険(NEXI)、トルコ海外経済関係評議会(DEIK)、トルコ日本人商工会連絡協議会(JBGT、注1)、ジェトロの共催で、「日本・トルコ 海外ビジネス連携ワークショップ」開催された。ワークショップは、日本とトルコの外交関係樹立100周年を迎える2024年を節目とし、NEXIの貿易保険ツールを通じた両国のビジネス連携をこれまで以上に拡大させることを目的に開催された。ワークショップには、NEXIの黒田篤郎社長、DEIKのナーイム・オルパク会長、DEIKのトルコ日本合同経済委員会のアフメト・チャルク委員長、勝亦孝彦駐トルコ大使、笠原謙一駐イスタンブール総領事に加え、両国の企業関係者ら約150人が出席した。

チャルク委員長(チャルク・ホールディング会長)は両国関係のより強力で恒久的な関係構築に向け、日本からのトルコへの投資、バランスの取れた貿易の可能性と目標達成のために、経済連携協定(EPA)の早期締結が期待されるとし、エネルギートランスフォーメーション、デジタルトランスフォーメーション(DX)などの分野でNEXIの支援は重要と評価した。オルパク会長は、両国関係は第三国連携にも道を開き、脱炭素、デジタル、モビリティーなどでの変革の中、チャンスをつかむことができると主張した。

ワークショップに先立ち、NEXIの「LEADイニシアティブ(海外事業資金貸付保険)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」案件から、トルコ輸出入銀行と三井住友銀行(SMBC)とのNEXI融資保険を活用した融資契約の披露や、チャルク・エネジー(三菱商事出資)、ドイツ銀行、NEXIの3者による融資枠設定に関するサイドレターの披露が行われた。

写真 チャルク・エネジー、ドイツ銀行、NEXIの3者による融資枠設定に関するサイドレターの披露(ジェトロ撮影)

チャルク・エネジー、ドイツ銀行、NEXIの3者による融資枠設定に関するサイドレターの披露(ジェトロ撮影)

LEADイニシアティブは、デジタル分野など新分野の日本企業による事業拡大、脱炭素分野でのトランジションの促進、広く日本の国益に資する外国政府、企業、機関とのパートナーシップ構築や社会課題解決、持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献といった支援を目的としている。

ワークショップでは、NEXIがこのLEADイニシアティブなどの支援ツールを紹介したほか、トルコ輸銀のアリ・ギュネイ・ゼネラルマネジャーがトルコでの同銀行の役割を概説し、SMBCはトルコ輸銀の融資枠を通じた貿易取引支援の活用、利用案件を紹介した。また、チャルク・エナジーのナジ・ジャン氏がトルコやEMEA(注2)地域でのエネルギー関連プロジェクトと実績に関する紹介を行い、参加企業は高い関心を示した。

写真 ワークショップの主要参加者(ジェトロ撮影)

ワークショップの主要参加者(ジェトロ撮影)

(注1)イスタンブール日本人会商工部会、アンカラ日本人会商工会、イズミル日本人会商工会で構成する協議会。

(注2)ヨーロッパ(Europe)、中東(Middle East)、アフリカ(Africa)の3地域を指す略語。

(中島敏博)

(トルコ、日本)

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