村田製作所、ブルガリアで海外初のテック共創プロジェクト始動

(ブルガリア、日本)

ブカレスト発

2024年05月23日

村田製作所は5月13日、ブルガリアの首都ソフィア市内で同社の共創プロジェクト「KUMIHIMO Tech Camp with Murata」の告知イベントを開催した。グローバル規模で起業家支援を展開するNPO団体エンデバーと共催した。同プロジェクトは、村田製作所のハードウエアを使ってスタートアップや大学などのアイデアを実現することを目指すもので、海外での実施は初めてとなる。会場には起業家や大学関係者、研究機関などから約50人が来場した。

2024年秋に実施予定の同プロジェクトでは、応募したアイデアが選考通過した企業・団体に対し、2カ月間のアイデア開発期間が与えられ、その後、村田製作所役員への最終プレゼンテーションを経て、採択された企業・団体には同社との協業の機会が与えられる。

同社の岩坪浩取締役はイベントの聴衆に向け、「このような取り組みは1回限りのものではなく、長期にわたって継続することに価値がある。安易なソフトウエア開発だけでなく、当社のハードウエアでイノベーションのアイデアを実現するための支援を行う」と強調した。

イベントには、元テック系起業家で現ソフィア市長のバシル・テルジエフ氏も出席した。パネルディスカッションではソフトウエアとハードウエアの相互依存的な開発、創造的な教育と支援資金、規制当局としてだけでなく支援者としての国家の役割、イノベーションと企業と公共の利益のための科学とビジネスの相乗効果などをテーマに、岩坪取締役らと議論を交わした。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

村田製作所はジェトロに対し、「これまでイノベーション・成長省や人工知能(AI)研究所のコンピュータサイエンス・人工知能・技術研究所(INSAIT)を訪れる中で、ブルガリアの潜在性を高く評価している」と語った。

(ブラディミール・カネフ、高崎早和香)

(ブルガリア、日本)

ビジネス短信 a4fe350374ee932b