EU理事会、凍結中のロシア中銀資産の利子収入をウクライナ支援に充てることを決定

(EU、ロシア、ウクライナ)

ブリュッセル発

2024年05月27日

EU理事会(閣僚理事会)は5月21日、ロシアによるウクライナ侵攻に伴う対ロシア制裁の一環として、EUが凍結するロシア中央銀行の資産から得られる収益をウクライナ支援に充てることを決定した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

EUは、ロシアによるウクライナ侵攻以降、ロシアに対する制裁を強化。EU域内でロシア中銀が保有する資産や外貨準備の取引を禁止している(2022年3月2日記事参照)。欧州委員会によると、域内で凍結されている同行の資産は2,100億ユーロに上り、利子率によるものの年間25億~30億ユーロの収益が見込まれている。

今回の決定によりEUは7月にも、ウクライナ支援に向けた拠出を開始し、今後は年2回実施する予定。拠出先については、2024年は、拠出金の9割をウクライナへの軍事支援に、1割を復興支援などに充てる。2025年以降については、2025年1月までに拠出先の見直しを実施するとしている。

欧州委のバルディス・ドムブロフスキス執行副委員長(経済総括、通商担当)は、EU理事会の決定を歓迎するとともに、迅速な支援が重要として、初回の拠出が7月中に実施できるよう全力を尽くすと述べた。

(吉沼啓介)

(EU、ロシア、ウクライナ)

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