インドネシア、ペルーとの第1回CEPA交渉を早期に実施する意向表明

(インドネシア、ペルー)

ジャカルタ発

2024年05月24日

インドネシア商業省は5月16日、ペルー通商観光省と会談を行い、ペルーとの包括的経済連携協定(IP-CEPA)の第1回交渉会合を早期に開始したいと表明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

両省の会談は、5月16日から18日までペルーで開催された第30回APEC貿易大臣会合に合わせて開催された。インドネシア政府の代表として出席したジャトミコ・ブリス・ウィチャクソノ商業省国際貿易交渉局長は「IP-CEPAの第1回交渉会合の計画について議論した」とした上で、交渉妥結までに開催する交渉会合の回数などの見通しをペルー側に提案したと述べた。

IP-CEPAは2023年8月、インドネシアのズルキフリ・ハサン商業相とペルーのフアン・カルロス・マシューズ・サラサール通商観光相(当時)との間で、交渉を開始することを確認した。ズルキフリ商業相は、IP-CEPAの交渉開始はジョコ・ウィドド大統領の指示としつつ、「インドネシアにとっては新しい輸出市場の南米地域向けの輸出に取り組む商業省の真剣さを示している」と強調した(2023年8月16日商業省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。第1回交渉会合は2023年末までの開催を目標とすることで合意していたが、まだ開催されておらず、交渉スケジュールの遅れが懸念されている。

グローバル・トレード・アトラスによると、2023年の両国間の貿易総額は約624億円(注1)で、インドネシアからの輸出が約516億円、ペルーからの輸入が約108億円だった。インドネシア商業省によると、インドネシアからペルーへの主な輸出は自動車、バイオディーゼル燃料、食用油脂(ショートニング)、履物など、ペルーからの主な輸入はカカオ豆、乾燥ぶどう、肥料、未加工の亜鉛などだった。自動車(注2)の輸出額は約200億円で、インドネシア自動車製造者協会(GAIKINDO)によると、2023年にインドネシアからペルーに完成車を輸出しているのはトヨタと三菱自動車、スズキの3社のみだった。

(注1)IMFの2023年平均レート、1ドル=140.49円で算出。

(注2)HSコード8703類。

(大滝泰史)

(インドネシア、ペルー)

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