第1四半期GDP成長率、前年同期比1.4%のプラス

(ペルー)

リマ発

2024年05月27日

ペルー国家統計情報庁(INEI)は5月23日、2024年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率が前年同期比1.4%だったと発表した。INEIは今期の成長の主な要因として、聖週間の連休が3月(注)に入ったため、外食やホテル、交通サービスや商業を後押ししたことで、内需が前年同期比で2.1%増加したことや、銅や金などの国際価格が上昇したことにより、鉱業生産と輸出が増加したことなどを挙げている。四半期ごとの成長がプラスに転じたのは2022年第4四半期(10~12月)以来となる。

内需の成長はそのほかにも、前年同期比で5.9%増となった総固定資本形成にも起因している。特に政府による教育、農業、交通インフラの建設のほか、機械や備品などの購入など公共投資が37.0%増となっている。一方で、民間投資は、鉱業や炭化水素部門での成長はあったものの、建設分野を中心に全体ではマイナス1.8%だった(添付資料表1参照)。

財貨・サービスの輸出は前年同期比で2.9%増と、果実(85.1%増)、金(41.1%増)、銅(3.7%増)などがそれぞれ伸びている。反対に輸出が減少したのはブドウ(30.4%減)、魚粉(26.9%減)、亜鉛(11.7%減)、精製銅(11.7%減)などだ。輸出の主な仕向け先は中国(全体の36.2%)、米国(11.6%)、カナダ(5.1%)、日本(4.8%)、インド(3.8%)が上位5カ国を占めている。

財貨・サービスの輸入は前年同期比で5.7%増加。輸入が増加した主な品目は原油(29.4%増)、放送通信機材(26.2%増)、産業機械(19.6%増)、プラスチック・ゴム・合成繊維(18.0%増)など、反対に自動車(20.8%減)、ディーゼル燃料(17.8%減)、トラック・バス(12.7%減)などは減少した。米国(全体の27.5%)と中国(13.4%)の両国が主な輸入元となっている。

経済活動別に見ると、エルニーニョ現象による気温の上昇によって作付けが減少した農林業はマイナス0.7%、カタクチイワシの第2期漁(夏漁)が不漁だった水産業はマイナス29.4%だった。また、製造業では、非鉄鉱物生産(マイナス13.1%)、食品産業(マイナス11.4%)、繊維皮革産業(マイナス9.1%)が振るわず、全体で6.1%のマイナス成長を記録した。一方で、成長した分野としては、鉱業(鉱物・石油・ガスの生産と付随するサービス)が前年同期比で7.6%と最も高く、特に鉱物資源の生産は8.8%増だった(添付資料表2参照)。

(注)年によって聖週間の連休は4月になる場合もある。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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