メーデー連休期間の旅行者数は約3億人、新型コロナ禍前から約3割増

(中国)

上海発

2024年05月13日

中国文化観光部は5月6日、2024年のメーデー連休期間(5月1~5日)の国内旅行者数が前年同期比7.6%増の延べ2億9,500万人となったと発表した。新型コロナウイルス禍前の2019年同期比では28.2%増となった。また、国内観光収入は前年同期比12.7%増、2019年同期比13.5%増の1,668億9,000万元(約3兆5,047億円、1元=約21円)となった。

交通運輸部によると、同期間中の省などの地域をまたいだ人の移動は延べ13億5,800万人(1日当たり延べ2億7,000万人)に達し、前年同期比2.1%増、2019年同期比23.7%増となった。

各省の文化観光庁も、同期間の旅行者数など関連指標を発表している。旅行者数や観光収入が前年同期に比べ大幅に増加した地域をみると、遼寧省では、同期間の旅行者数が前年同期比61.4%増の延べ2,585万人となり、観光収入が同98.5%増の270億3,000万元の大幅増となった。このほか、江蘇省では、旅行者数が同29.2%増の延べ3,132万人、観光収入が同20.0%増の141億1,500万元。甘粛省では、旅行者数が同23.7%増の延べ2,510万人、観光収入が同38.0%増の150億9,000万元。貴州省では、旅行者数が同12.1%増の延べ3,492万人、観光収入が同15.7%増の215億900万元だった。

中国最大手ネット旅行代理店のシートリップ(Ctrip)によると、「四線都市以下の都市」(注1)への観光予約注文数は前年同期比2.4倍となり、一線・二線都市の伸び幅を大幅に超えていた。中国において新たな観光ビジネスとして位置づけられている「下沈市場」(注2)も人気となった(「北京青年報」5月6日)。

(注1)第一財経傘下の新一線都市研究所が2023年5月30日に発表した「2023年都市の商業的魅力ランキング」では、「商業施設の充実度」や「都市のハブとしての機能性」「市民の活性度」「生活様式の多様性」「将来の可能性」などの指標を基に、337都市をランク付けした。「一線都市」は北京市、上海市、広州市、深セン市、「新一線都市」は成都市、重慶市、杭州市、武漢市などの15都市、「二線都市」は仏山市、瀋陽市、無錫市、済南市などの30都市、「三線都市」は蘭州市、海口市、湖州市、揚州市などの70都市、「四線都市」は馬鞍山市、開封市、毫州市、麗水市などの90都市、「五線都市」は昭通市、涼山市、広安市、丹東市などの128都市を指す。

(注2)中国経済の新たなマーケットとして近年、注目を浴びつつある中国の三線都市以下の地方都市および農村地域を指す。

(龐婷婷)

(中国)

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