IMF見通し、コートジボワールの2024年GDP成長率を6.5%と発表
(コートジボワール、アフリカ)
アビジャン発
2024年05月08日
IMFは4月19日に「地域経済見通し(サブサハラ・アフリカ)」を発表した。2024年のコートジボワールの実質GDP成長率の見通しは、前年比0.3ポイント増の6.5%となっている。これは、サブサハラ・アフリカ全体の見通し3.8%を大幅に上回る。同国のインフレ率は消費者物価指数ベースで2024年3.8%、2025年3.0%、財政赤字はGDP比で2024年4.0%、2025年3.0%とそれぞれ予測されており、2025年には西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)の目標水準に収束する見込みだ。
また、IMFの経済指標データベースサイト「データマッパー(Data Mapper)」によると、2024年のコートジボワールの名目GDPは869億1,000万ドルの見通しで、CFAフラン圏14カ国中(注1)で最大となった。
【CFAフラン圏各国の名目GDPの見通し(2024年)】
- コートジボワール869億1,000万ドル
- カメルーン532億1,000万ドル
- セネガル354億5,000万ドル
- ブルキナファソ219億ドル
- マリ216億6,000万ドル
- ベナン213億7,000万ドル
- ガボン210億1,000万ドル
- ニジェール188億2,000万ドル
- チャド187億ドル
- コンゴ共和国155億ドル
- 赤道ギニア107億1,000万ドル
- トーゴ98億3,000万ドル
- 中央アフリカ共和国28億1,000万ドル
- ギニアビサウ21億5,000万ドル
IMFは今次「地域経済見通し」の発表に先立ち、3月25日から4月6日までコートジボワールで経済改革プログラムに関するレビューを実施した。同レビューでは、コートジボワールが国家開発計画の下で、マクロ経済の安定確保、経済構造の変革、気候変動の緩和と適応のためのレジリエンス強化に取り組んでいることが評価された。
また、経済情勢について、厳しい外的環境にもかかわらず、インフレが収束するなど、中期的に安定した成長が見込めるとし、成長要因として、底堅い民間需要、カカオ生産の回復、資本の深化と外的環境の段階的な回復をあげた。一方、今後の課題として、財政管理の改善、民間主導による包摂的な成長と金融包摂(注2)を支援するためのビジネス環境の改善、ガバナンスと腐敗防止の強化などに重点を置いた構造改革の加速を提起した。
(注1)CFAフラン圏は、UEMOAに加盟するベナン、ブルキナファソ、コートジボワール、ギニアビサウ、マリ、ニジェール、セネガル、トーゴと、中部アフリカ経済通貨共同体(CEMAC)に加盟するカメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ共和国、赤道ギニア、ガボンの14カ国。ユーロと固定レートでリンクする共通通貨CFAフランを採用する通貨圏。
(注2)全ての人々が、経済活動のチャンスを捉えるため、また経済的に不安定な状況を軽減するために必要とされる金融サービスにアクセスでき、それを利用できる状況。
(橘欣子、渡辺久美子)
(コートジボワール、アフリカ)
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