第1四半期のGDP成長率は前期比0.6%、景気後退から脱却

(英国)

ロンドン発

2024年05月13日

英国国家統計局(ONS)の5月10日付発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、英国の2024年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率は前期比0.6%だった(第1次速報値、添付資料表と図参照)。2023年下半期の2四半期連続のマイナス成長から転じてプラス成長となり、景気後退を脱却、前日にイングランド銀行(中央銀行)が発表した予測(0.4%)も上回った(2024年5月10日記事参照)。

需要項目別でみると、家計最終消費支出は前期比0.2%増となった。住居、水・燃料、娯楽・文化、レストラン・ホテルなどへの支出が伸びた。総固定資本形成は企業投資が伸び1.4%増、政府最終消費支出は保健、交通への支出が伸び、全体で0.3%増だった。

産業別でみると、サービス業が前期比0.7%増と、2023年第1四半期以来のプラス成長だったことが寄与。特に運輸・倉庫、専門・科学・技術関連サービスが伸びたとしている。

製造業は、輸送機器(5.7%増)、基礎金属・金属製品(3.1%増)が伸びた一方、テキスタイル、衣服、革製品の3.6%減が相殺し、全体では1.4%増だった。英国自動車製造販売者協会(SMMT)によると、2024年1~3月の乗用車生産台数は前年同期比1.1%増の22万2,371台、商用車については27.4%増の3万2,626台となっている。

建設業は新規案件の減少により前期比0.9%減だった。

G7諸国(注)との比較では、米国(0.4%)、イタリア(0.3%)、ドイツ(0.2%)、フランス(0.2%)を上回り、カナダ(0.6%)と並んで最も高い成長率となった。一方で、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年第4四半期(10~12月)と比べると、1.7%で、依然として米国(8.7%)、カナダ(5.1%)、イタリア(4.6%)、フランス(2.2%)を下回っている。

(注)5月10日時点で未発表の日本を除く。

(山田恭之)

(英国)

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