「日シンガポール・ファストトラック・ピッチ2024」、5社が事業課題の解決策を募集

(シンガポール、日本)

シンガポール発

2024年05月13日

ジェトロおよび経済産業省は4月26日、在シンガポール日本大使館、シンガポール貿易産業省(MTI)、MTI傘下の経済開発庁(EDB)、シンガポール企業庁(Enterprise Singapore)と共催で、オープンイノベーション創出を後押しする「日シンガポール・ファストトラック・ピッチ2024」のプロモーションを目的としたイベントを、コワーキング・スペース「One&Co」で開催した。イベントには、両国の企業・政府関係者約110人が参加した。

「日シンガポール・ファストトラック・ピッチ2024」では、「日ASEAN共創ファストトラック・ピッチ・イニシアティブ」(注)の枠組みのもと、日本や在シンガポールの企業(チャレンジオーナー)が他社との協業により解決を図りたい課題(チャレンジ)を提示し、日本、シンガポール、ASEANをはじめとする全世界のスタートアップ企業などから提案を募る。

イベントではチャレンジオーナー5社の代表者が、提示する課題PDFファイル(0.0B)の背景や内容を説明し、スタートアップをはじめとした企業からの提案を呼び掛けた。各社が提示した課題は主に次のとおり。

  • ガラスのリサイクル技術やビジネスプラットフォームの構築
  • 軽量で、再利用可能な、生物由来の先端特殊素材の開発
  • 持続可能な代替燃料を動力とするタグボートの開発
  • 耐摩擦性・耐汚染性樹脂素材の新規用途開発やガス透過性・ガスバリア性樹脂素材のヘルスケア分野での利用
  • デジタルウォレットAPIを活用したユースケースの創出

イベントの開会あいさつをしたEnterprise Singaporeのグローバルイノベーションネットワークおよびイノベーションエコシステム開発担当エグゼクティブダイレクターであるタン・ブーン・キム氏は「オープンイノベーションは、シンガポールのイノベーションエコシステムにとって、重要なキーワードだ。革新的な製品やソリューションを開発するためには、異なる企業間の補完性を活用する必要がある」と述べ、同プログラムへの参加を呼びかけた。

チャレンジへの提案は特設サイトで6月16日まで受け付ける。応募された提案の中からチャレンジオーナーが選定したファイナリストによる最終ピッチイベントを、7月19日にシンガポールで開催する予定だ。

写真 イベントの様子(ジェトロ撮影)

イベントの様子(ジェトロ撮影)

(注)ジェトロおよび経済産業省では、2023年の日ASEAN友好協力50周年を機に、ASEAN各国との新たなイノベーション創出に向けた協力の在り方として、ASEAN各国政府関係機関との共同で、日ASEAN双方の企業の協業によるオープンイノベーション・共創を促進するため「日ASEAN共創ファストトラック・ピッチ・イニシアティブ」を開始。2023年には、シンガポール、バンコク、ジャカルタ、ハノイでファストトラック・ピッチを開催した。

(糸川更恵)

(シンガポール、日本)

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