上院議員選挙(互選)の日程確定、議員選出方法に批判の声も

(タイ)

バンコク発

2024年05月24日

タイでは5月13日に、選挙管理委員会(EC)が次期上院議員選挙の日程PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表し、現在、上院議員選挙への立候補申請が行われている(2024年5月20日から24日まで)。選挙は郡、県、国の3段階で構成されており、6月9日に郡レベル、6月16日に県レベルで行われた後、6月26日に全国レベルの選挙が実施される予定だ。今回の上院選挙では、さまざまな分野や団体から立候補者を集い、候補者間の互選で議員を選出する(2024年2月29日記事参照)。

ただし、選挙方法に対する批判の声も上がっている。まず、候補者同士の互選を採用していることから、投票結果には、既存の政治家や権力者の意向が大きく影響する可能性がある。そのため、当該選挙方法で選出される上院議員は国民の代表ではないという批判の声もある(タイ公共放送PBS 5月12日)。それに対してECは、国民やメディアの協力も活用しつつ、公平な選挙が実現されるよう監視していくと述べた。また市民団体も、公平性を担保するため、多くの国民による立候補を呼びかけている(タイ公共放送PBS 5月17日)。

さらに、4月26日に発表された候補者の自己紹介手続きに関する規定は、候補者の自由を制限するもので、選挙の透明性に影響を与えかねないと有識者から批判されていた(「ネーション」紙5月9日)。具体的には、候補者がテレビやラジオ、ソーシャルメディアなどを活用して、公の場で自己紹介を行うことが同規定により禁止されていた。しかし、このような規定に対する批判も踏まえ、5月14日にECは当該規制を修正し、候補者がソーシャルメディアを活用して一般市民に自己紹介することは認めると発表した。

選挙結果は、7月ごろに判明する見込みだ。

(藤田豊)

(タイ)

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