サブコン・タイランド2024開幕、中国EVメーカー7社が部品調達ゾーン

(タイ)

バンコク発

2024年05月16日

部品サプライヤーや下請け業者など製造関連企業が出展する大規模展示会「サブコン・タイランド2024外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が515日、バンコク国際展示場(BITEC)で開幕した。タイ投資委員会(BOI)、タイ・サブコン振興協会、イベント会社インフォーマ・マーケッツが主催し、18日まで4日間にわたって開催される。前回は43カ国から42,000人を超えるビジネス関係者が来場した。購買や調達に向けて、商談やマッチングが多数実施される。

写真 セター首相(中央)とナリットBOI長官(右から2人目)(ジェトロ撮影)

セター首相(中央)とナリットBOI長官(右から2人目)(ジェトロ撮影)

ナリット・タードサティーラックBOI長官は開会にあたって、「本展示会を中小企業のショーケースとしたい」と述べた。同長官は今回の注目点として、タイでバッテリー式電気自動車(BEV)の現地生産を進める中国系自動車メーカー7社が出展していることを挙げた。「BOIでは各社と部品調達会を共催しているが、同じ会場に7社が一斉に出展するのは初めて。サプライヤー企業もEV産業に高い関心があるので、タイでの現地調達を後押しするイベントとしたい」と意気込んだ。

セター・タビシン首相は基調講演の中で、「ビジネス機会・商談を提供し、中小企業がBEVや電子部品などの新たな産業に事業拡大できるようアプローチさせたい。地場・外資を問わず、共にタイの産業を発展させ、グローバルレベルでサプライチェーンを構築していく契機になれば」と期待を表明した。

写真 セター首相、製造ハブとしてのタイをアピール(ジェトロ撮影)

セター首相、製造ハブとしてのタイをアピール(ジェトロ撮影)

セター首相は、外国企業の投資促進に向けて「タイには豊富なインセンティブがあり、クリーンエネルギーも利用できるため、潜在性には自信がある。すでに多くの企業から製造業ハブとして認識されている」と強調した。外国投資家にとって生活環境が良好であることもアピールしつつ、ビジネス環境について「継続的に改善し、よりビジネスを円滑化していくことを約束する」と述べた。また、昨今、タイ政府は自由貿易協定(FTA)政策を重視しており、今後10年でEUをはじめとするFTA締結を推進し、タイの自由貿易ネットワークを拡大させる考えを示した。

EV調達ゾーンに関心が集まる

ナリット長官が強調したとおり、今回の展示会では中国企業による「EV調達ゾーン」が目玉となっており、多くの来場者が関心を寄せていた。中国メーカーはバッテリーなどのBEV部品を展示し、現地調達できている部分、できていない部分を説明していた。

写真 EV調達ゾーンの様子(ジェトロ撮影)

EV調達ゾーンの様子(ジェトロ撮影)

写真 長城汽車の小型EV「ORAグッドキャット」用のEVバッテリー(ジェトロ撮影)

長城汽車の小型EV「ORAグッドキャット」用のEVバッテリー(ジェトロ撮影)

写真 哪吒汽車(NETA)のトラクションモーター(ジェトロ撮影)

哪吒汽車(NETA)のトラクションモーター(ジェトロ撮影)

中国企業の存在感が高まる中、NCネットワークは「FBCアセアンものづくり商談会」を併催。FBCパビリオン内には40を超えるブースが設置され、国別パビリオンとしては中国と並び最大級の規模となっている。

写真 FBCパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

FBCパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

(北見創)

(タイ)

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