米商務省、建設業での女性就労支援のため新たなイニシアチブ発表

(米国)

ニューヨーク発

2024年05月23日

米国商務省は5月21日、建設業界でより多くの女性が就労することを目的とした「建設業における女性100万人の自主的な誓い(Million Women in Construction Community Pledge)」を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同イニシアチブは、ベーカー・コンストラクションやギルベイン・ビルディングなど、建設業界の7社が参加外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますして発足した。同省のジーナ・レモンド長官は、より多くの企業や労働組合、研修機関が参加するよう、業界全体へ呼びかけている。

同イニシアチブには、女性のために、幅広い機会を創出する公平な採用と労働力開発の取り組みの実施や、その規模の拡大などを誓約することで参加できる。その上で、イニシアチブに参加する企業などに対して、地域社会とのパートナーシップの構築、チャイルドケアなど支援サービスへの投資拡大、安全かつ健康で尊重される職場の発展などを通じて、女性の就労を拡大する取り組みを促す。商務省は5月上旬にも、建設業界での女性の就労を支援する5つの指針をまとめた「CHIPS建設業における女性フレームワーク」を発表しており(2024年5月7日記事参照)、今回のイニシアチブはこれに続くものとして位置づけられている。

レモンド長官は声明で、ジョー・バイデン大統領の「米国への投資アジェンダ(Investing in America agenda)」は米国全土に建設ブームをもたらしており、建設業などの雇用機会が大幅に増加したと述べつつ、「現在、建設業に占める女性の割合は11%に満たず、技術を要する職種ではわずか4%にすぎない」と指摘し、より多くの企業、労働組合、研修機関などがイニシアチブに参加するよう促した。

商務省はCHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき、これまで8社に対して、半導体製造施設の米国内での建設などへ助成金拠出を発表しており(2024年5月14日記事参照)、これら施設の建設が今後本格化していくとみられる。一方、米国では失業率が低水準で推移しているなど、人材不足が経営課題の1つとなっている上、CHIPSプラス法に基づく助成を申請する企業は、女性を一定程度雇用することが求められている。建設業への女性の就職を促す発表が続く背景には、こうした事情があるとみられる。

(赤平大寿)

(米国)

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