ドイツ自動車大手3社、第1四半期の世界販売台数に差異

ドイツ自動車大手のBMWグループは5月8日、2024年第1四半期（1～3月）の全世界での乗用車販売台数を発表した。これで、フォルクスワーゲン（VW）グループ、BMWグループ、メルセデス・ベンツグループのドイツ自動車大手3社の第1四半期の販売実績が出そろった。メーカーによって、プラグインハイブリッド車（PHEV）とバッテリー式電気自動車（BEV）の販売台数の動向が異なった。地域別では、中国での販売状況に差異があった。概要は次のとおり。

VWグループの2024年第1四半期の販売台数（注1）は202万3,199台（前年同期比3.4％増）だった。そのうち、BEVは13万6,436台（3.3％減）だった。他方、PHEVは7万1,372台（27.5％増）と好調だった。BEVとPHEVが総販売台数に占めるシェアは9.9％で、前年同期比で0.2ポイント拡大した。乗用車販売台数を主要地域別・国別にみると、アジア大洋州は76万2,606台（4.9％増）で、中国は69万3,329台（7.7％増）だった。西欧は75万9,383台（0.5％減）、うちドイツは26万1,897台（0.5％減）だった。

BMWグループの2024年第1四半期の販売台数（注2）は59万4,533台（前年同期比1.1％増）だった。BEVの世界販売台数は8万2,689台（27.9％増）と増加した。全体に占めるシェアは13.9％となり、前年同期に比べて2.9ポイント上昇した。PHEV（BMWとミニ）は振るわず、3万9,893台（13.0％減）だった。シェアは6.7％で、前年同期比で1.1ポイント減少した。主要地域別・国別にみると、アジアは24万4,697台（2.9％減）、うち中国も18万7,692台（3.8％減）と減少した。欧州は22万8,003台（5.4％増）で、ドイツは5万7,666台（2.1％増）となった。

メルセデス・ベンツグループの2024年第1四半期の販売台数（注3）は46万2,978台（前年同期比8.0（減）だった。BEVが4万7,521台（8.0％減）だった一方、PHEVは4万2,656台（6.5％増）と増加した。BEVとPHEVが総販売台数に占めたシェアは19.5％で、前年同期比1.3ポイント拡大した。主要地域別・国別では、アジアが21万745台（14.9％減）と落ち込み、中国は16万8.899台（11.6％減）だった。欧州（注4）は16万169台（2.3％減）、うちドイツが5万437台（16.6％減）と大幅に減少した。

（注1）中国の合弁会社分を含む。乗用車以外のVWブランド小型商用車を含む。

（注2）BMW、ミニ、ロールスロイスブランドの合計。華晨汽車集団（Brilliance）との合弁会社分を含む。

（注3）メルセデス・ベンツグループ傘下のメルセデス・ベンツ、スマートの合計。

（注4）EU加盟国とスイス、ノルウェー、英国の合計。

（クラウディア・フェンデル）