米テキサス州オースティンで「SXSW2024」開催、最先端のテクノロジートレンドに注目

(米国、日本)

イノベーション部スタートアップ課

2024年04月04日

米国テキサス州オースティンで3816日、世界最大級のイノベーション・クリエーティブ・カンファレンスイベント「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)2024外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が開催された。音楽や映画、テクノロジーをテーマとした同カンファレンスでは、世界中から芸術家や起業家、インフルエンサー、投資家など数十万人が集まる(2024年3月15日記事参照)。メイン会場のオースティン・コンベンションセンターに加え、周辺のホテルやレストランではサイドイベントも開催され、期間中は街がSXSW一色となった。

初日のオープニングセッションは、米国航空宇宙局(NASA)惑星科学部門責任者のロリ・グレーズ氏と、米国で著名な詩人エイダ・リモン氏による「Explore SpacePoetry」だった。NASAでは、打ち上げる探査機などにメッセージなどを載せたプレートを付けることがあり、木星を周回する氷の衛星「エウロパ」へ向けて202410月に打上げ予定の探査機「エウロパ・クリッパー」へ搭載するプレートを公表した。プレートには260万人以上の氏名、リモン氏による詩文、世界各国の水の発音を波形で表したアートなどが記載されており、グレーズ氏とリモン氏は、プレートに込められた思いを語った。科学と芸術の融合に焦点を当てたSXSWらしいオープニングだった。

写真 オープニングセッション「Explore Space&Poetry」(ジェトロ撮影)

オープニングセッション「Explore Space&Poetry」(ジェトロ撮影)

主催者がセッションのテーマを決定する他のスタートアップカンファレンスと異なり、SXSWでは67割のテーマが投票で決まる。大衆が関心を寄せるトレンドを把握できることから、最先端テクノロジーのトレンド把握を目的の1つとして来場者が集まる。

そうした中で、「世界を変える10大技術」を毎年発表しているMITテクノロジーレビューの最高経営責任者(CEO)エリザベス・ブラムソン氏が登壇する「10 Breakthrough Technologies of 2024」では、開場と同時に早々に満員となった。人工知能(AI)、太陽電池、Apple Vision Proなどの技術・製品が世界に与えるインパクトや一般市民の生活に及ぼす影響を語った(注1)。

写真 初日のフィーチャードセッション「10 Breakthrough Technologies of 2024」(ジェトロ撮影)

初日のフィーチャードセッション「10 Breakthrough Technologies of 2024」(ジェトロ撮影)

コンテンツ関連の新しいテクノロジーを披露する展示スペース「クリエーティブ・インダストリーズ・エキスポ」では、日本からスタートアップや学生団体を含む15社・団体が出展した(注2)。初出展の日本企業も複数あり、出展者からは、多様な背景を持つ来場者から得られるフィードバックや、偶然的な出会いを通じたイノベーションを求めて出展を決めたとの声が聞かれた。

社学生技術プロジェクトチーム「Todai To Texas」の展示(ジェトロ撮影)

学生技術プロジェクトチーム「Todai To Texas」の展示(ジェトロ撮影)

(注1)世界を変える10大技術の説明はこちら外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。(1)あらゆるもののためのAI、(2)超高効率の太陽電池、(3)Apple Vision Pro、(4)痩せ薬、(5)地熱増産システム、(6)チップレット、(7)初の遺伝子編集治療、(8)エクサスケール・コンピュータ、(9)ヒートポンプ式エアコン、(10)Twitterキラー、が挙げられている。

(注2)「クリエーティブ・インダストリーズ・エキスポ」は3月10~13日に開催。日本からの出展企業一覧はこちら外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(蓮井拓摩)

(米国、日本)

ビジネス短信 e41d13fbc366a7e7