AESC、米サウスカロライナ州のバッテリー工場再拡張を発表、投資総額は31億2,000万ドルに

(米国、日本、中国)

アトランタ発

2024年04月01日

中国の再生可能エネルギー開発大手エンビジョングループ傘下のバッテリー企業AESC(本社:神奈川県、旧エンビジョンAESC)は3月26日、米国サウスカロライナ州フローレンス郡での電気自動車(EV)用リチウムイオンバッテリー製造事業を拡大し、15億ドルを追加投資すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これにより、総投資額は31億2,000万ドルとなる。また、雇用も1,080人追加する予定だ。

この拡張計画は、2022年12月に発表した同州でのEV用バッテリーセル工場建設(2022年12月13日記事参照)と2023年12月に発表した拡張計画に続くものだ(2023年12月18日記事参照)。今回の拡張では、2023年6月着工の工場に隣接する2つ目の工場を建設する予定で、操業開始は2027年を見込んでいる。

BMWとの複数年にわたるパートナーシップの一環として、BMWの同州スパータンバーグ工場で生産される次世代EV用のバッテリーセルを供給するほか、BMWグループのメキシコ組み立て工場にもEV用のバッテリーコンポーネントを供給する予定だ。

サウスカロライナ州のヘンリー・マクマスター知事(共和党)は「AESCがフローレンス郡で4カ月足らずの間に2度目の事業拡張を行ったことは、州と州民に対する新たな信任の表れである」と語った。また、AESCの松本昌一最高経営責任者(CEO)は「サウスカロライナ州は、高性能でより航続距離の長いEVバッテリーを地元で製造することで、全米の顧客のために次世代EVに電力を供給するという当社の戦略にとって極めて重要な役割を担っている」と述べた。

同州は、今回の拡張計画にともない、郡所有の倉庫ビル、用地準備、敷地内道路および敷地外道路や水道の整備、両製造施設のためのトレーニングセンターの追加拡張にかかる費用を補うため、州一般経済開発債券を1億1,100万ドルを上限に追加発行することを承認した。また、州経済開発調整委員会は、このプロジェクトに関連する雇用開発クレジット(注)を承認した。

(注)サウスカロライナ州に事業施設を立地または拡張するコストを相殺するための資金を企業に提供する優遇措置。

(横山華子)

(米国、日本、中国)

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