AESC、米サウスカロライナ州のバッテリー工場拡張を発表、投資総額は16億2,000万ドル

(米国、日本、中国)

アトランタ発

2023年12月18日

中国の再生可能エネルギー開発大手エンビジョングループ傘下のバッテリー企業AESC(本社:神奈川県座間市、旧エンビジョンAESC)は12月12日、米国サウスカロライナ州のヘンリー・マクマスター知事(共和党)とともに、同州フローレンス郡に建設中の電気自動車(EV)用バッテリーセルのギガファクトリーを拡張すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。追加投資額は8億1,000万ドルで、450人を新規雇用予定だ。

この拡張計画は、2022年12月に発表した同州でのバッテリーセル製造施設建設の発表に続くもの(2022年12月13日記事参照)。8億1,000万ドルの投資1,170人の雇用を予定していたが、今回の拡張により投資総額は16億2,000万ドル、新規雇用は1,620人となる。2026年までの完成を予定している。

BMWとの複数年にわたるパートナーシップの一環として、AESCはBMWの同州スパータンバーグ工場で生産する次世代EVに使用されるバッテリーセルを供給する。このバッテリーは従来型よりもエネルギー密度が20%高く、充電時間が短縮され、航続距離と効率を30%向上させる。

マクマスター知事は「AESCのサウスカロライナ州への継続的な投資は、私たちが育んできたビジネスフレンドリーな環境の証しだ」と述べた。また、AESC USのマネジングディレクターを務めるジェフ・ディートン氏は「フローレンス郡とサウスカロライナ州とのパートナーシップはわれわれの期待を上回るものだ。今後何年にもわたり、素晴らしい地域に付加価値の高い雇用をさらに創出すると約束できることを誇りに思う」と語った。

同州は、AESCの拡張計画に伴う道路や、推定1,500万ドルのトレーニングセンター、上下水道インフラ、地下建物支持構造物の追加費用を相殺するため、州一般経済開発債券を最高5,000万ドルまで追加発行することを承認した。また、経済開発調整評議会はこのプロジェクトに関連する雇用開発クレジット(注)を交付した。

同州商務省によると、2017年から2022年の間に自動車製造関連産業で1万3,000人以上の雇用が創出され、96億ドルの投資が行われた。

(注)サウスカロライナ州に事業施設を立地または拡張するコストを相殺するための資金を企業に提供する優遇措置。

(吉田祥子)

(米国、日本、中国)

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