プームタム副首相がレモンド米商務長官と会談、米国企業の投資や対米輸出拡大に期待

(タイ、米国)

バンコク発

2024年04月09日

タイのプームタム・ウェーチャヤチャイ副首相兼商務相は3月13日、米国のジーナ・レモンド商務長官および大統領輸出評議会(PEC)幹部と、両国の貿易・経済関係強化に向けた会談を行った外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます2024年3月26日記事参照)。

プームタム副首相は「タイが米国の先端産業〔デジタル、人工知能(AI)、エレクトロニクス、半導体、電気自動車(EV)、クリーン・エネルギー、航空、製薬など〕の生産拠点となり、米国と経済連携を深める用意がある」と提案した。これに対し米国側は、米国の投資家がタイへの投資をさらに拡大するよう後押しするとした。タイ投資委員会(BOI)によると、2023年の米国からタイへの投資認可額は前年比2.7倍の879億9,400万バーツ(約3,696億円、1バーツ=約4.2円)と急拡大し、中国、シンガポールに次ぐ3位の投資国だった(2024年2月20日記事参照)。

また、プームタム副首相は「タイ政府として、インド太平洋経済枠組み(IPEF)交渉の進展を喜ばしく思っている」と発言し、「米国やほかのIPEF参加国と協力し、IPEFの柱の1つである貿易に関する交渉を妥結させたい」と表明した。レモンド長官は「IPEFはタイとインド太平洋地域のサプライチェーンをつなぐ重要なツールであり、米国はIPEFの下で経済協力を拡大する用意がある」と述べた。

その他、タイ側から、対米輸出事業者から関心の高い一般特恵関税制度(GSP)の復活(2020年に失効)について要望したほか、この数年で知的財産保護の取り組みが十分進展したことに鑑み、米国の知的財産権の監視対象国(ウォッチリスト)からタイを外すよう要請した。

タイにとって米国は最大の輸出相手国であり、2023年の輸出額は488億6,500万ドルだった。主な輸出品目は、コンピュータおよび同部品、ゴム製品、電話機および同部品、半導体・トランジスタ・ダイオード、変圧器および同部品など。輸入相手国としても米国は3位で、2023年の輸入額は194億9,400万ドルだった。主に、原油や機械・同部品、化学製品、電子集積回路、航空機・同部品を輸入している。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、米国)

ビジネス短信 d9ae3d339caa340f