香港の2月の小売売上高は前年同月比1.9%増

(香港)

香港発

2024年04月12日

香港特別行政区政府統計処は4月3日、2月の小売売上高(速報値)を前年同月比1.9%増の337億5,800万香港ドル(約6,414億円、1香港ドル=約19円)(添付資料図参照)と発表した。15カ月連続で前年同月比プラスとなった。

同月の小売売上高のうち、オンライン販売額は前年同月比9.9%減の23億3,900万香港ドルで、小売売上高全体の6.9%だった。

品目別にみると、増加幅が最大だったのは「衣類、靴および関連製品」で、前年同月比12.3%増の45億2,700万香港ドルだった。「その他消費財」を除いて次に増加幅が大きかったのは「食品、酒類飲料、たばこ」(注1)で、9.3%増の36億9,800万香港ドルだった(添付資料表参照)。

一方で、減少幅が最大だったのは「耐久消費財」で、前年同月比25.1%減の41億7,900万香港ドルとなった。「燃料」は14.5%減の7億3,700万香港ドル、「宝飾、時計および高級贈答品」は3.6%減の48億2,500万香港ドルだった。

業態別にみると、「スーパーマーケット」(注2)は前年同月比14.1%増の43億4,100万香港ドル、「百貨店」は4.7%増の25億3,400万香港ドルだった(添付資料表参照)。

香港政府報道官は1~2月の小売売上高について「前年同月比でわずかに増加した」と述べた。同報道官は今後の見通しでは「収容数の継続的な回復と多くのメガイベントの開催に伴い、インバウンド観光がさらに回復し、小売業界に恩恵を与えるとみられる。家計所得の上昇や香港政府の消費活性化策も小売業を下支えするだろうが、市民と観光客の消費パターンの変化が引き続き課題となる」との見方を示した。

香港小売管理協会の謝邱安儀主席は「2月小売売上高は前月比プラスと予測されていたが、旧正月(春節)の影響により、実際は1月の小売売上高365億香港ドルを下回った」と指摘した(「信報」4月4日)。同主席は、3月の小売売上高も弱い動きとなるとし、その要因として、中国本土は3月に長期休暇がなく(来港)観光客の消費が減少することや、イースター連休期間に香港居住者が中国本土や海外に旅行することなどを挙げた(「信報」4月4日)。

(注1)スーパーマーケット以外での売上高。

(注2)百貨店内のスーパーマーケット部門の売上高は含めない。

(注3)2024年のイースター連休は3月29日から4月1日。

〔何樂晴(エスター・ホー)〕

(香港)

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