水産物を含む動物由来製品の輸出手続き日本語ガイドブックを作成

(ブラジル)

サンパウロ発

2024年04月09日

ジェトロは3月22日、日本の水産物を含む動物由来製品をブラジルに輸出するめに必要な手続きなどをまとめた日本語ガイドブックを作成した。

ブラジルに水産物を含む動物由来製品を輸出する際には、生産者がブラジルの農務省(MAPA)傘下にある動物由来製品検査部(DIPOA)のシステム(PGA-SIFSIF)に登録する必要がある。同システムはすべてポルトガル語で運用されているため、関係者にとっては不明瞭かつ煩雑な手続きとされていた。だが、生産者が製造工程に関する情報などを準備・提供すれば、ポルトガル語がわかる人に委任し、代理登録することも認められている。

底堅い水産物の需要、日本産に対する関心も

ブラジルにおける水産物の需要は高く、日本食だけでなく、各種料理レストランで水産物が食材として使われている。開発商工サービス省の輸入統計によると、2023年の輸入総額は約13億8,700万ドルで、新型コロナ禍前の2019年の輸入額を上回っている(添付資料図参照)。また、そのうち、54.2%をサーモン〔大西洋サーモンとドナウサーモン(冷凍または冷蔵)〕が占めている。

一方、国別輸入額でみると、チリからの輸入が60%以上を占めているが、輸出元は南米だけでなく、ベトナムや中国などアジアの国からも輸入実績がある(添付資料表参照)。

当地水産物バイヤーなどにヒアリングすると、日本のブリ、ホタテ、かつお節など関心があるものの、これまで日本の生産者との商談実績がないとのこと。また、レストラン関係者などにアンケートを取った際も、日本からの輸入やサプライヤーとのコネクションに関心があり、マグロ、ホタテ、アサリの順に関心があるという結果も出ており、実際に、一部の水産物輸入業者によってブリやホタテは輸入されつつある。

(松平史寿子)

(ブラジル)

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