米アリゾナ州、LGエナジーソリューションなどと提携しバッテリー製造特化の人材育成プログラム発表

(米国)

ロサンゼルス発

2024年04月09日

米国アリゾナ州のケイティ・ホッブス知事(民主党)は4月3日、同州におけるバッテリー製造業の成長を支援するため、バッテリー製造に特化した人材育成プログラムを発表した。同プログラムは、アリゾナ州で2023年6月に開始された「Future48 Workforce Accelerators」の一環で、アリゾナ州民が高度製造業の高賃金職に就けるように、必要なスキルやノウハウを身につける機会を提供するもの。

これまでも半導体産業などに特化したプログラムがあったが、今回発表された新たなプログラムでは、韓国のLGエナジーソリューション(LGES)やアリゾナ商業公社(Arizona Commerce Authority)、セントラル・アリゾナ・カレッジなど官民学のさまざまな主体が提携し、電気自動車(EV)などに使用されるリチウムイオン電池の製造工程に焦点を当てた訓練機会を提供するという。また、LGESの製造設備や安全プロセスに関する実践的な訓練機会を提供し、仮想現実やシミュレーション技術なども取り入れる予定としている。プログラム実施のための施設は2024年12月に完成予定で、プログラムでは一度に数百人の学生に訓練を提供する見込み。

韓国LGESのバッテリー工場の建設は順調に進捗

LGESは4月3日、同社によるアリゾナ州のバッテリー製造施設の建設状況に関して、2年後の完成に向けて順調に進んでおり、2024年末には最初の採用が開始される予定と説明した。同施設の建設は2023年3月に発表され、投資総額は55億ドルとされている(2023年3月27日記事参照)。建設完了後、2026年に生産を開始する予定となっており、最先端の製造施設を運営する質の高い労働力を確保するため、新たに数千人の雇用を創出するとしている。

同施設建設について、ホッブス知事は「この革新的な投資は、アリゾナ州だけでなく全米に永続的な影響を与え、クリーンエネルギーの目標に一歩近づくもの。アリゾナ州民がこのような仕事に従事できるスキルを身につけられるよう、積極的なパートナーになることを約束する」と述べている。また、LGESは「持続可能なエネルギー源をつくるのに、豊富な太陽エネルギーに囲まれたアリゾナほど適した場所はない。ここで製造された高品質のバッテリーは、米国の隅々まで供給される」とのコメントを出している。

(堀永卓弘)

(米国)

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