チェコ政府、ウクライナ向け貿易保険の引き受け再開を発表

(チェコ、ウクライナ)

プラハ発

2023年07月19日

チェコ政府は7月12日、チェコの輸出信用機関である輸出保証・保険公社(EGAP)を通じてウクライナ向け貿易保険の引き受けを再開すると発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。EGAPは、ロシアがウクライナへの侵攻を開始した2022年2月以降、ウクライナ向けの貿易保険の引き受けを停止していた。引き受け枠は3億3,900万コルナ(約22億350万円、1コルナ=約6.5円)で、再開後第1号案件の輸出は数週間以内に実現する見通し。

ズビニェック・スタニュラ財務相は、引き受け再開の決定の背景には、チェコ企業からの強い要望があったと述べた。ヨゼフ・スィーケラ産業貿易相は、貿易保険を通じてチェコ企業のウクライナ事業を支援することについて「将来のウクライナ復興におけるチェコ企業の関与の観点からも重要」とコメントしている。

一方、産業界は厳しい見方を示している。チェコ産業連盟は、引き受け再開の決定を歓迎しつつも、「ドイツやポーランド、スロバキアはすでに同様の措置を取っている」と政府の対応の遅さを指摘した。同連盟のラデク・シュピツァル副会長は「引き受け枠の規模も不十分」だとして、政府は企業の需要を見極め、引き受け枠を迅速に拡大するべきとした。

チェコ統計局によると、2022年のチェコのウクライナ向け輸出は356億4,770万コルナ(前年比2.4%増)で、チェコにとって20番目の輸出先だった。

(志牟田剛)

(チェコ、ウクライナ)

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