1~3月の郷里送金が堅調、海外出稼ぎ労働者数は減少傾向に

(バングラデシュ)

ダッカ発

2024年04月23日

バングラデシュ中央銀行は、2024年3月単月の郷里送金額は前年同月比1.3%減(前月比7.7%減)の19億9,685万ドル、2023/2024年度(2023年7月~2024年6月)の3月までの累計は170億8,324万ドル(前年度同期比6.5%増)と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(添付資料表1参照)。郷里送金は政府による規制緩和の継続など(2023年10月26日記事参照)により、同年度上半期に底堅く推移しており(2024年1月16日記事参照)、3月はやや減少したものの、第3四半期(2024年1~3月)も前年度同期比13.2%増となる計62億7,456万ドルを記録した。年度ベースで過去最高額(248億ドル)を記録した2020/2021年度の第3四半期との比較においても11.0%増と、堅調な結果になった。

郷里送金における重要ツールでもあるモバイル決済大手ビーキャッシュ(Bkash)の出資者で、商業銀行大手のブラック・バンク(BRAC Bank)金融市場セクター長を務めるフォジア・ラーマン氏は、「引き続き郷里送金の促進に力を入れており、当行の第3四半期実績は前年同期比およそ50%増。国全体の傾向と同様、送金受領額は増加傾向にあり、現状をポジティブに捉えている。外貨準備高(注)の減少圧力はやや緩和している状況とみるが、依然十分な水準でなく、信用状(L/C)決済の抑制措置(2022年7月19日記事参照)など制約が続く中で、同決済をはじめとする対外決済の円滑化にも経営陣と取り組んでいる」と話す(インタビュー2024年4月21日)。

一方、バングラデシュ人材雇用訓練局(BMET)が公表した2024年3月の海外出稼ぎ労働者の派遣者数は7万4,679人(前年同月比31.8%減)となり、2024年に入り前年比の減少傾向が続いている(添付資料表2参照)。とりわけ、2023年(暦年)において国別でサウジアラビア(38.1%)に続き、2番目(26.9%)の派遣先であるマレーシアが、2024年1~3月に前年同期比67.6%減(2万6,850人)と大幅に落ち込んでおり、引き続き派遣者数の動向も注目される。

(注)横ばい傾向の外貨準備高(IMF基準のグロス値)は198億9,470万ドル(4月18日現在PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))となっている。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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