堅調に推移する郷里送金、海外出稼ぎ労働者数は過去最大に

(バングラデシュ)

ダッカ発

2024年01月16日

バングラデシュ銀行(中央銀行)は、2023年12月単月の郷里送金額を前年同月比17.1%増の19億8,987万ドルと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、2023/2024年度上半期(2023年7月~12月)の郷里送金額は前年同期比3.1%増の108億1,373万ドルとなった。減少傾向にあった同送金は10月に回復に転じて以降、単月で20億ドル近い堅調な水準で推移している(添付資料表1参照)。

依然として、公定レートと統計に反映されない違法な送金によるレートの差などの構造的な課題(2023年10月11日記事参照)は残るものの、出稼ぎ労働者に対し正規ルートでの送金を促すため、モバイル金融サービス(MFS)によるキャンペーンや、政府による規制緩和(2023年11月9日記事参照)が継続されている。また、減少傾向にあった外貨準備高(IMF基準のグロス値)は、IMF融資の2回目の払い込み承認後に増加に転じ、201億8,400万ドルとなっている(中央銀行1月11日現在PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

なお、最新(2023年12月単月)の海外出稼ぎ労働者の派遣者数外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは前年同月比3.3%減の9万5,197人だったが、年間を通しておおむね前年を超える水準で堅調に推移している(添付資料表2参照)。労働者の派遣先としては、主要な派遣先国であるマレーシア(35万1,683人、前年比7.0倍)やカタール(5万6,148人、2.3倍)に加え、レバノン(2,594人、3.0倍)やイタリア(1万6,879人、2.2倍)、日本(967人、90.4%増、注)といった国々も大幅に増加した。結果として、2023年(暦年)の総派遣者数は、過去最大を記録した2022年(113万5,873人)より14.9%増の130万5,453人に達している。

(注)日本法務省の最新の在留外国人統計外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(国籍別、在留資格別)によると、2022年12月末から2023年6月末にかけて在日バングラデシュ人の総数は約2,200人増加し、在留資格別では「技術・人文知識・国際業務」が最も拡大(807人増)した。業種別の統計は公開されていないものの、同資格の対象には、両国間での連携に関心が高まっているソフトウエア開発など、IT業界における就労ビザも含まれる。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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