米NY市で医薬品製造技術の展示会インターフェックス開催、欧米企業の出展目立つ
(米国)
ニューヨーク発
2024年04月30日
米国ニューヨーク(NY)市で4月16~18日、医薬品開発・製造、バイオテクノロジーの国際展示会「インターフェックス2024(Interphex 2024)」が開催された。北米で行われる同分野の展示会としては最大規模を誇る。主催者のRXによれば、508社が出展し、1万1,000人以上が来場した。会場では米国や欧州企業のブースが目立つ中、日系企業は機械設備分野などで大手や中堅企業からスタートアップまで少なくとも9社が出展した。医薬品メーカーや製造開発受託企業などを中心に、多くの購買担当者が来場し(注)、カンファレンスやネットワーキングイベントが開催された。
カンファレンスを行うステージでは、スポンサー企業による自社製品紹介を中心とするセッションのほか、「ファーマ4.0と5.0 – 人工知能(AI)と機械学習アプローチへの示唆」「非経口薬製造における現在のトレンド」「プロダクト・ディベロップメントと製造における課題」「新たな治療法の化学、製造および品質管理(CMC)課題に取り組む」などのテーマでパネルディスカッションが多数行われた。
検査機器を製造・販売する出展者は、ジェトロのインタビューに対し、同展示会に長年重きを置いてきたと述べた上で、今回の来場者数について、「ターゲットとする大手製薬会社は展示会に派遣する人員を絞っており、まだ新型コロナ禍以前の水準には戻っていないが、出展者・参加者ともに回復しつつある」と印象を語った。また、2年ぶりに出展した企業からは「前回とは異なり、今回は想像以上に多くの引き合いをもらうことができた」との声もあった。
出展企業からは出展の狙いとして、新規顧客獲得という声が多く聞かれた。今回が初出展となった工場設備や工作機器の設計・製造を手掛ける日本企業は「当社は、米国ではほとんど無名。一方、欧州市場で切磋(せっさ)琢磨して技術革新を進めた欧州企業が大きなブースを出展して存在感を示している。当社のような日本の装置産業は、欧州企業を見習い、どうすれば米国でも存在感を示せるようになるのかよく考えるべき」との見方を語った。
2025年の「インターフェックス2025」も、今回と同じくNY市内の展示場ジャビッツセンターで2025年4月1~3日に開催予定だ。ジェトロでは、中小企業を対象に「中小企業海外展開現地支援プラットフォーム」を通じてライフサイエンス分野の専門家からブリーフィングなどの支援を無料で受けられるサービスを提供している。また、日系スタートアップ向けには「日系スタートアップの海外展開支援」として、ライフサイエンス分野の専門家からのメンタリングを無料で受けられる「グローバル・アクセラレーション・ハブ」を提供している。
(注)前回2023年開催時には来場者の78%が購買担当者だった。
(石井英久)
(米国)
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