2023年のアフリカのM&Aは減少

(アフリカ、南アフリカ共和国、ケニア、ナイジェリア、エジプト)

ナイロビ発

2024年04月22日

南アフリカ共和国のビジネス誌「ディールメイカーズ・アフリカ」は、2023年のアフリカ地域のM&Aに関するレポートを発表した。同誌では、南アとその他アフリカを別のレポートで発表しており、南アが2024年2月外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますその他アフリカが同年3月外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに発表されている。

発表によると、2023年の南アのM&A(成功案件のみ)は、金額ベースで前年比32.8%減の2,096億8,900万ランド(約110億1,700万ドル、1ランド=約0.053ドル)、件数ベースでは11.2%減の278件だった(添付資料表1、表2参照)。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年と比較すると金額では6.7%増だが、件数では30%減となった。また、2023年の南アを除くアフリカ地域のM&A(成功案件のみ)についても、金額ベースで前年比36.9%減の112億ドルで、件数ベースでも30.2%減の478件にとどまった(添付資料表3、表4参照)。

同誌のマリールー・グレイグ編集長は、アフリカへの投資の必要性は今やメインストリームとなりつつも、一方で資本コストの高騰やインフラ不足、規制の複雑さ、地政学リスクなどの観点から、リターンを得るのは難しくなりつつあると分析した。

国・地域別でみると、2023年のM&Aで金額が最も大きかったのは、地域別(南アを除く)では南部アフリカで58億1,000万ドルだった。国別ではボツワナ(18億7,900万ドル)、ジンバブエ(17億5,000万ドル)、エジプト(13億8,500万ドル)が大きかった。件数ベースでみると、地域別では東部アフリカが最大で144件だった。国別ではケニア(95件)、ナイジェリア(82件)、エジプト(59件)の順に多かったが、いずれも前年比では減少した。

2023年の大型M&A案件としては、南アでのiCONグループによるライフ・ヘルスケアの取得や、オーストラリアのMMGによるボツワナのコーエーマカウ(Khoemacau)銅鉱山の取得、中国のCHNR(China Natural Resources, Inc)グループによるジンバブエのリチウム鉱山の取得などがあった。

(佐藤丈治)

(アフリカ、南アフリカ共和国、ケニア、ナイジェリア、エジプト)

ビジネス短信 98c1e51e614c7459